質の悪い内臓脂肪/鎌田實

鎌田式 死ぬときに後悔しない生き方

鎌田式「死ぬときに後悔しない生き方」<41>

中性脂肪が怖いという話を前回しました。中性脂肪がたまると、内臓脂肪になります。内臓脂肪が良くない理由は五つあげられます。

【内臓脂肪が慢性炎症を誘因】

(1)内臓脂肪がたまると、長寿ホルモンといわれているアディポネクチンが分泌されなくなる。

(2)サイトカインという炎症性物質が分泌されて、血管に炎症が起こり、これを長時間放置すると動脈硬化を起こす。

(3)血糖値が上がりやすく、糖尿病にもなりやすくなる。

(4)レプチンという満腹ホルモンが分泌されにくくなり、食べすぎを招く。

【脂肪肝から肝臓がんへ】

(5)本来脂肪がつかないところにも脂肪がたまる、異所性脂肪の原因になる。その代表例が脂肪肝。肝臓がんの原因の1位です。

【脂質はそれほど怖くない】

内臓脂肪の原因は中性脂肪なので、健康診断で中性脂肪の値が高い人は要注意。

アメリカの心臓病学会は、2011年に驚くべき論文を発表しました。その内容は、血液中の中性脂肪を減らすには、食べる脂質を増やし、糖質を減らす方がいい。脂質は悪いものと思い込んでいる日本人が多いが、糖質の方が問題を起こしているということだ。

またシドニー大学では同年、糖質は摂取量が増えるほど血糖値が上がり、脂質は摂取量が増えるほど血糖値が下がる、と報告しています。死ぬときに後悔しないためには、お肉はむしろ時々食べた方がいい。タンパク質がフレイル(虚弱)を予防してくれます。肉を食べている人の方が90歳を超しても元気でいることが多いです。

◆◆29日、ラジオで「鎌田式 死ぬときに後悔しない生き方」を語ります

医師で作家の鎌田實さんが出演している文化放送「日曜はがんばらない」(日曜午前6時20分~45分)の6月29日の回で、健康連載「鎌田式 死ぬときに後悔しない生き方」で掲載した健康法、病や老いへの向き合い方などが紹介されます。文章とはひと味違った声による生き方の話をお楽しみに。