その不調、男性更年期障害かも<1>
「男性更年期障害」は医学的には「LOH症候群」と呼ばれている疾患です。この男性更年期障害の認知度は、かなりアップしています。私のところを受診される患者さんのほとんどが「自分は男性更年期障害では?」と思って受診されます。では、男性患者A男さんのケースを紹介します。
A男さんは46歳、広告代理店部長職の方です。身長175センチ、体重77キログラム。ジムなどで筋トレをしていて、以前はすぐに体が締まってくるのに、ここのところそうはならなくなった。また、出張が増えて残業が多くなり、疲れが取れないなど悩みは多かったのです。「何か病気かも…」と思い、インターネットで「体重減らない」「倦怠(けんたい)感」「気力低下」で調べると、男性更年期障害が引っかかったのです。それで、A男さんは男性更年期障害を疑って私の診察を受診されました。
私は問診を行い、A男さんに男性更年期障害が強く疑われたので、男性ホルモンの「遊離テストステロン(最も活性の強い男性ホルモン)値」を検査。すると、数値は6.5pg/mlで正常値よりかなり低かったのです。それで、男性ホルモン補充療法を開始しました。
注射薬での男性ホルモン補充療法は、1回投与すると次は2、3週間あけて投与します。それで副作用がなければ、それからは4週間間隔で男性ホルモンを補充します。A男さんは2回目の注射をして少し経つと、倦怠感、気力低下などが改善し、筋トレにも積極的に取り組めるようになりました。さらに、その筋トレで、「身体もある程度絞れてきました」と、A男さんはうれしそうに報告してくださいました。倦怠感が取れ、仕事に前向きな姿勢が出てきているのが、男性ホルモン補充療法での最も大きい効果だと思います。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)
◆土井直人(どい・なおと) 市ヶ谷ひもろぎクリニック院長。1987年(昭62)、群馬大学医学部卒業。日本泌尿器科学会専門医。日本腎臓病学会。メンズヘルス医学会。泌尿器科一般領域の診療活動。特に心療内科と連携して男性更年期治療に従事。