「男性が男性らしく生きるためのホルモン」テストステロンとは?/土井直人

【カット】その不調、男性更年期障害かも

その不調、男性更年期障害かも<4>

「男性更年期障害(医学的にはLOH症候群という)」は、男性ホルモンの低下によって心身に不調が起こった状態です。不調としては「イライラする」「疲労感」「不眠」「ほてり」「性機能低下」など多くあります。その男性更年期障害の基本となるのは、男性ホルモンです。男性ホルモンにはいくつかありますが、代表格は「テストステロン」で、精巣から分泌されます。

テストステロンの作用を知るには、原始時代の狩猟生活を想像してください。生きていくために、まずはエサを探す。どの場所にエサになるものがいるか、という認知能力が必要になります。あとは、食べていくということで、「挑戦」「冒険」が必要です。そして、狩猟は1人ではなく集団で行います。原始時代の狩猟を想像すると、テストステロンはそれらの作用をすべて担っているのです。

加えて、種の保存です。オス鹿は繁殖期になると他のオス鹿と闘い、それに勝つとテストステロンがアップしてメス鹿に繁殖させるのです。種の保存で、より強い優秀な遺伝子を残すために必要なホルモンともいえます。つまり、「男性が男性らしく生きるためのホルモン」ということになります。

テストステロンは思春期にドーンとアップし、「体毛やヒゲが生えてくる」「精巣が大きくなる」「勃起力が出る」「声変わりをする」「がっしりした体つき」といった第2次性徴が起こります。テストステロンによって、大人の男性の特徴を備えることになります。そして、テストステロンは20代をピークに、加齢とともに緩やかに減少していくのです。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)

◆土井直人(どい・なおと) 市ヶ谷ひもろぎクリニック院長。1987年(昭62)、群馬大学医学部卒業。日本泌尿器科学会専門医。日本腎臓病学会。メンズヘルス医学会。泌尿器科一般領域の診療活動。特に心療内科と連携して男性更年期治療に従事。