その不調、男性更年期障害かも<6>
一般的に「男性更年期障害」と呼ばれている疾患は、医学的には「LOH症候群」と言います。
LOH症候群は男性ホルモンの代表格であるテストステロンの減少が原因で起こります。テストステロンの作用は、前回取り上げた「身体面」だけにとどまりません。テストステロンは、人の性格や考え方、社会性にも多大な影響のあることが最近の研究で明らかになってきました。「大胆でリスクを恐れない、決断力のある、男らしい行動」--それは、まさしく「映画のヒーローのような生き方」。そのような精神や行動の源になっているのが“テストステロンである”とわかってきました。さらに、テストステロンはチャレンジ精神にも大きく関与しているのです。
それだけに、テストステロンが低下すると勝気や挑戦の心を男性から奪い取ってしまいます。つまり、“バイタリティーのない、元気のない男性はテストステロンが低下している”かもしれません。
ここまでが1つの「精神面」ですが、さらにテストステロンは「空間認知機能」に対しても重要なホルモンです。認知機能は物事を理解することですが、その中でも「空間」は、見知らぬ土地で地図だけを頼りに行動する能力です。この空間認知機能は男性の方が女性より優れています。
しかし、女性には女性の優れた面があります。女性は言語能力が男性よりも優れています。加えて、女性は相手の表情を読み取ったり、相手の気持ちに共感したりする「非言語能力」も優れています。これは女性ホルモンの働きによるもので、女性ホルモンには女性ホルモンの良さがあるのです。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)