男性ホルモンの代表格「テストステロン」は健康のための“糖質制限”で低下する/土井直人

【カット】その不調、男性更年期障害かも

その不調、男性更年期障害かも<9>

「LOH症候群(男性更年期障害)」は男性ホルモンの低下が原因で、その男性ホルモンの代表格が「テストステロン」です。では、テストステロンが低下しているのはどのような人なのでしょう。

「健康のために“糖質制限”をしています」という言葉を耳にすることはありませんか。何と、糖質制限をするとテストステロンが低下することがあるのです。それには2つのメカニズムが考えられます。

メカニズムの第1。糖質制限を行うことで血糖値が低下すると、副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは体内の血糖値を上げよう、上げようと働きます。実は、このコルチゾールとテストステロンは逆の関係なのです。だから、コルチゾールの分泌が増加するとテストステロンが低下してしまいます。

メカニズムの第2。糖質は体内での消化・吸収によってブドウ糖(グルコース)になり、筋肉と脳のエネルギー源になります。ただし、脳のエネルギーになるのは糖質の中のブドウ糖だけです。糖質が不足すると、身体はタンパク質などを分解して糖質を何としても引っ張り出そうとします。すると、筋肉までもが分解されてしまいます。それがテストステロンの減少につながってしまうのです。だから、極端な糖質制限はお勧めできません。

糖質制限を行うのであれば、極端な糖質制限ではなくほどほどの糖質制限で健康管理を。その場合、膵臓(すいぞう)からのインスリンの分泌が多い午前中に糖質をとるべきです。朝食、昼食は糖質をとり、夕食では糖質制限をするというやり方です。このようにほどほどに対応するのが良いでしょう。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)