歯学博士・照山裕子「口福のヒント」<26>
他人に不快感を与えないための口臭予防対策は、身だしなみのひとつです。原因の9割は口の中にあるとわかっているため、すぐにできるポイントをまとめてみます。
(1)口呼吸をやめて鼻呼吸に戻す:人間のからだに本来備わっている呼吸様式は鼻呼吸です。鼻毛がフィルターとなり、有害なほこりやアレルゲン等をからめ捕ってくれます。外敵から身を守るシンプルな仕組みです。かたや口呼吸になると、汚れたものをダイレクトに吸い込みます。口の中がカラカラに乾くと、免疫の最前線を担う唾液の力も発揮されません。つまり嫌なにおいを発生しやすい環境を自ら作り出していることになります。ガスを外に放たないためにも、普段から口をしっかり閉じて鼻で吸って吐く意識を持ちましょう。
(2)こまめな水分補給をする:寝起きの息が気になるという方は多いのではないでしょうか。就寝中はどうしても口が乾いてしまうので、起きた時にもわっとしたにおいが出がちです。すぐに水でゆすぐことで、こうした「モーニングブレス」は消えます。ブクブクと音を立て、隅々までしっかり水分をいきわたらせましょう。口の中がねばつく感覚がある場合は歯周病が進行している可能性もあります。歯科医院でのチェックを受けましょう。
(3)洗口液(マウスウォッシュ)を使う:液体に含まれている香料によって、一時的ににおいを遮断する作用があります。30分~長くても2時間程度です。「歯周炎の予防」などと具体的な効能が明記された製品には薬用成分が入っています。口臭の根本原因にアプローチするので、長期的な使用がおすすめです。歯間清掃を含めた丁寧な口腔(こうくう)ケアと併用してこそ本来の威力が発揮されます。デンタルフロス等で隙間の掃除をしたのちに、ゆすぐものです。ここを省略すると必要な場所に届かず、単なる無駄遣いになってしまいます。