誤嚥を起こしやすい病気/医療ジャーナリスト安達純子

肺を守ろう! 医療ジャーナリスト安達純子

がんだけじゃない、誤嚥や感染症でも命に関わる~肺を守ろう!<7>

年間約3万6000人の命を奪う新型コロナウイルスは、65歳以上で亡くなる人が多い。抗ウイルス薬が開発されても、封じ込めるのが難しい状況が依然としてある。

「当院の場合、新型コロナウイルスの流行で、誤嚥(ごえん)性肺炎の患者さんがそれ以前と比べて増えました。新型コロナは治療薬が登場しましたが、新型コロナはウイルス性肺炎だけではなく誤嚥性肺炎などを引き起こす怖い病気といえます」と、公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸ケアリハビリセンター副センター長の菅原玲子医師は警鐘を鳴らす。

新型コロナの感染予防ではマスクや手洗い、ワクチンが推奨されている。マスク着用では、週あたりの感染リスクが着用していない人の0・84倍、2週間で0・76倍に低下したと報告された(新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーリポート)。秋から冬は、インフルエンザや風邪のシーズンでもあるため、マスク着用やこまめな手洗いは予防の一助となる。

「誤嚥性肺炎も、抗菌薬などで細菌の増殖を防いでも、その後食べられなくなって、痰(たん)が気管支に詰まるなどして亡くなるケースは珍しくありません。新型コロナに加えて、誤嚥を起こしやすい病気もあります」

菅原医師によれば、次の病気は誤嚥を起こしやすい。逆流性食道炎、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(肺気腫)、脳梗塞や脳出血、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症、神経細胞が障害を受ける中枢神経変性疾患など。

「呼吸器感染症に限らず、さまざまな病気の治療や予防が肺を守ることにつながります」と菅原医師は話す。