がんだけじゃない、誤嚥や感染症でも命に関わる~肺を守ろう!<18>
肺は酸素と二酸化炭素のガス交換を行う大切な臓器だが、加齢とともに機能が低下するという。
「呼吸機能検査のスパイロメトリーで、最大限に息を吸い込んだ後、可能な限りすべてを吐き出した際の1秒間に吐き出せる空気の量である『1秒量』は、男性の場合、23~25歳でピークを迎え、以降、年平均で20ml減少します」と、元日本呼吸器学会会長の公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸不全管理センター長の木村弘医師が解説する。
加齢に伴う肺機能の低下に拍車をかけるのが肺の病気だ。中でも、生活習慣病と位置づけられ、喫煙を最大リスク要因とする慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)になると、1秒量が年平均で60ml以上も減るという。
「COPDは息を早く吐くことができなくなります。そのため、思い切り強く息を吐ききった空気の全体量(肺活量)で1秒量を割る『1秒率』の数値が70%未満になると、COPDの疑いが強くなります」(木村医師)
COPDで息を早く吐けないと、たとえば、小走りしただけでも、激しい息切れに見舞われるようなことが起こる。だが、リモートワークなどでほとんど体を動かさないでいると、息切れに気づきにくい。また、「年のせいの息切れ」と思うことも…。
「40歳以上で喫煙歴があり、風邪などの呼吸器感染症を繰り返し、せきや痰(たん)、ゼーゼーという呼吸時の喘鳴(ぜんめい)、少し体を動かしただけでも息切れがしやすいときには、COPDの疑いがあります。禁煙すると同時に、呼吸器内科で肺に異常がないか検査を受けることが大切です」と木村医師はアドバイスする。