2つの症状が合わさった結果、検査値が正常に見えることも/医療ジャーナリスト安達純子

肺を守ろう!医療ジャーナリスト安達純子

がんだけじゃない、誤嚥や感染症でも命に関わる~肺を守ろう!<20>

喫煙が最大原因の慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)は、肺の末梢(まっしょう)の細気管支障害や肺胞障害が起こり、空気の流れが悪くなる。そんな呼吸の状態を知るため、スパイロメトリーという医療機器を用いた検査が人間ドックや健康診断でも活用されている。

息を吸ったり吐いたりしてスパイロメーターで呼吸の状態を調べ、空気を吸ったときの最大吸気量から、最大限に吐く努力をしたときの空気の流れ(流速)と、肺の大きさで示される(フローボリューム曲線)。

「COPDでは、速いスピードで空気を吐くことが難しく、肺に空気が残るので1秒間で吐き出せる数値が低くなります。一方、間質性肺炎(肺線維症)は、肺が硬くなるために空気を吸ったときから吐き切るまでの量(肺活量)が小さくなります」と、元日本呼吸器学会会長の公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸不全管理センター長の木村弘医師が解説する。

間質性肺炎は、ガス交換を行う肺胞の壁(間質)が、炎症で厚く硬くなってうまく機能しなくなる病気だ。原因はいろいろあり、その原因によって治療も異なるが、国内では間質性肺炎で年間2万4000人以上が亡くなっている(厚労省2024年「人口動態統計」)。

「COPDと間質性肺炎が合併しているケースも珍しいことではありません。2つの症状が合わさった結果、スパイログラムが正常に見えることもあります。健康診断などで肺の機能異常が疑われ、息切れ、せき、痰(たん)などの症状があるときには、呼吸器内科の専門医の診断を受けることをお勧めします」と木村医師はアドバイスする。