慢性心不全がCOPD治療で改善/医療ジャーナリスト安達純子

肺を守ろう!医療ジャーナリスト安達純子

がんだけじゃない、誤嚥や感染症でも命に関わる~肺を守ろう!<22>

長期にわたる喫煙によって肺の気流が滞る慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)は、生活習慣病に位置づけられ、さまざまな病気と関係する。そのひとつが、慢性心不全。

「COPDは、肺から空気を出すことが難しくなり、肺が空気で膨らむ動的肺過膨張を起こすと、心臓にも大きな負荷がかかります。心臓の血液を全身に送り出す左心室の壁が厚く硬くなって、心臓の広がる力が弱くなる慢性心不全(HFpEF/ヘフペフ)も合併しやすくなります」と、元日本呼吸器学会会長の公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸不全管理センター長の木村弘医師は話す。

ヘフペフになると心臓へ送られる血液量が減り、死亡率も高くなるといわれる。一方、COPDも肺のガス交換が難しくなるため、国内では年間1万6000人以上が亡くなっている。

「COPDは放置している人の割合が高い。COPDの治療薬・気管支拡張薬で動的肺過膨張が抑制されると、ヘフペフは改善します。COPDの早期治療で合併症も改善・予防が可能といえます」(木村医師)。

COPDの症状の特徴は、体を動かしたときの息切れだが、早期段階では「運動不足」「年のせい」などと考えてしまいがち。一方、ヘフペフも、むくみや倦怠(けんたい)感はあるものの、強い症状が出るわけではないので自覚症状に乏しい。結果として、COPDと合併したヘフペフが重症化に至るケースもあるという。

「合併症を起こしやすいCOPDのような病気は、早い段階での治療が他の病気を防ぐためにも大切なことを知っていただきたいと思います」と木村医師は話す。