1日600歩増やすだけでCOPDの増悪予防に/医療ジャーナリスト安達純子

肺を守ろう!医療ジャーナリスト安達純子

がんだけじゃない、誤嚥や感染症でも命に関わる~肺を守ろう!<27>

運動習慣は心身の健康に役立つため、国民健康づくり運動「健康日本21(第三次)では、歩数の目標値を20~64歳は8000歩/日、65歳以上は6000歩/日としている。しかし、喫煙を最大原因とした慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)など、慢性呼吸器疾患を抱えていると、少し歩くだけで息切れが生じて苦しい。

「慢性呼吸器疾患では、適切な薬物治療とリハビリが役立ちます。100メートルの距離を歩くときに、息切れが激しく休まないと前に進まなかった人も、歩行による運動療法を3か月間行うと、息切れが軽くなり休みなしで歩けるようになります」とは、公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸ケアリハビリセンター長の吉田直之医師。運動療法で多くの慢性呼吸器疾患患者を治療している。

「ただし、リハビリ終了しても身体活動レベルが上がらない(歩数が増えない)と症状は進行します。COPDは増悪を繰り返すことで肺の機能が低下し、命に関わる病気です。リハビリ後も歩行といった有酸素運動の継続が重要といえます」。

リハビリ後、歩数が1日600歩増えることがCOPDの増悪予防につながるという報告がある。<1>リハビリ前よりも1日600歩以上増えたグループは、<2>1日600歩未満のグループよりも、リハビリ終了からの2年間で増悪入院する人が明らかに少なかった。<2>1日600未満のグループは、リハビリ終了後3カ月から入院する人が増え、2年後には6割に入院経験があった。

「喫煙習慣に起因したCOPDは生活習慣病です。歩数を増やし日々の身体活動量を上げることが、健康に寄与します。歩ける能力を最大限活用していただきたいと思います」と吉田医師は話す。