息切れの先にサルコペニア/医療ジャーナリスト安達純子

肺を守ろう!医療ジャーナリスト安達純子

がんだけじゃない、誤嚥や感染症でも命に関わる~肺を守ろう!<28>

慢性でゆっくりと進行する肺の病気では、息切れの原因が加齢のためと思われやすく、重症化するまで放置されてしまうことがある。

「息切れで歩くのがつらいと動かない人がいます。身体活動量は低下し、筋肉量もどんどん減少します。その先にあるのがサルコペニアです。寝たきりにつながるので注意が必要です」と公益財団法人結核予防会 複十字病院呼吸ケアリハビリセンター長の吉田直之医師は警鐘を鳴らす。

サルコペニアは、太もも(大腿(だいたい)四頭筋)などの骨格筋量が減少し、歩行などの身体機能が低下した状態のこと。高齢になればなるほどサルコペニアの割合が増えるが、慢性の肺の病気で身体活動量が低下すると、サルコペニアのリスクがさらに高くなる。

「加齢によるサルコペニアに慢性呼吸器疾患が加わると、2メートルの距離を歩くのもたいへんになります。トイレへ自力で向かうのも難しくなります。そうなる前に日々の運動習慣をつけて、それを継続していただきたいと思います」(吉田医師)。

たとえば、スマホの歩数計で1日1000歩しか歩いていない人は、1日100歩ずつ歩数を増やして600歩以上の増加を目指す。

「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)の患者さんでは、運動療法前の1日1000歩だったのが運動療法後1600歩以上になると、症状やQOL(生活の質)などが改善します。患者さんも実感できる効果が得られるのです。毎日歩く習慣を身につけて、徐々に歩数を増やしていただきたいと思います」と吉田医師は話す。