不整脈IQを鍛えよう<9>
突然ですが、アダムスストークス症候群という、名前の難しい病気についてお話しします。今から200年も前にアイルランドのアダムス先生とストークス先生が報告した症候群で、不整脈で引き起こされるめまい・失神・けいれんなど一過性の脳虚血症状のことを言います。不整脈を見つけられず原因不明の失神でした。何度も失神を繰り返してようやく徐脈がわかって診断がつきました。その間には患者さんにとって不慮の死亡などいろいろな悲劇もあったでしょう。今では植え込み型心電計で見つけられます。
アダムスストークス症候群を引き起こす不整脈としては徐脈と頻脈がありますが、徐脈としては洞機能不全・房室ブロック、そして頻脈と徐脈の両方が一連の流れで出現して失神を来す不整脈があります。頻脈では命に関わる「心室頻拍、心室細動」です。これら命に関わる不整脈についても今後触れる予定です。
前回、洞機能不全状態について会社で例えると社長経営陣の身勝手な管理放棄状態と書きました。洞機能不全は心臓の脈が出なくなる状態で、大きく3種類のパターンがあります。
<1>脈が常に遅いままの、いわゆる経営陣に常にやる気のない怠惰な状態で、患者さんには自覚症状がないことが多くて徐々に足や顔のむくんでくる、いわゆる慢性心不全状態。この状態では失神することはないのですが、<2>洞房ブロック・洞停止と呼ばれる突然数秒以上の一時的心停止状態で意識消失を来たします。5秒間の心拍停止で失神、15秒間になるとけいれん発作になります。この心電図記録を確認したら、ペースメーカー植え込みしなければなりません。
さらにペースメーカー植え込みを検討しなければならない不整脈として、<3>頻脈徐脈症候群があります。英語名の頭文字をとって「TBS」と言います。どこかのテレビ局みたいですがしっかり治療を必要とする不整脈です。