不整脈IQを鍛えよう<10>
頻脈徐脈症候群(TBS)での頻脈は心房細動という不整脈です。心拍は不規則ながら1分間に150~220回になり、発作的に出現して突然止まりますが、その後に脈がない状態です。
正常の心拍は右心房にある洞結節から生じますが、TBSでは異常な頻脈により洞結節にかなりな負荷がかかるため洞結節が正常の状態に戻るまでかなりの時間を要します。頻脈後に洞結節が機能を取り戻すまで正常であれば3秒以内とされていますが、洞機能不全であれば5~10秒以上でめまいなどのブラックアウト。ペースメーカー植え込みを検討します。
洞機能不全とは会社でいう社長・経営部門の手抜き状態のことです。TBSは会社に降りかかった大事件の対応が後手にまわり、リカバリーできない状態です。ペースメーカーという、外からの経営テコ入れをしなければもたない状態のことです。最近の日本のテレビ業界では世間をにぎわす大事件が起こりますが、ペースメーカーを入れることなくできる業界のリカバリー力は素晴らしいですね。
TBSの治療は基本、ペースメーカーの植え込みと話しました。実は、ペースメーカー植え込みを避けることができるTBSがあります。動悸(どうき)や頻脈を抑える薬を内服する場合があります。その薬が不整脈に効かず、正常の脈さえも抑えてしまって強いめまいや失神を来す場合もあります。まさに薬の「恥の上塗り」です。その際は、内服を速やかに中止して心房細動の根治を目指すカテーテルアブレーションを検討します。
TBSの患者には2種類あります。TBSのみの患者と、頻脈を先行しない徐脈もある患者です。前者の場合はカテーテルアブレーションで治します。TBSの患者さんがいらしたら希望を捨てないでくださいね!