不整脈IQを鍛えよう<15>
心室性期外収縮がきっかけで見つかる心臓病があります。心室性期外収縮の背景には、臓器に起因する器質的心臓病のある場合と、ない場合の特発性があります。
特発性とは、いわゆる健康な人に生じる心室性期外収縮で、カテーテルアブレーションで根治できる「不整脈病」です。対して器質的心臓病とは、心臓を構成する心筋、心臓に栄養を供給する冠動脈、心臓の部屋を仕切る弁膜組織などに何らかのダメージを負った状態です。大動脈弁膜症、虚血性心臓病、心筋症が代表的です。心筋筋組織の傷害に部分的に電気回路がショートしたり漏電を起こして期外収縮が生じます。
大動脈弁膜症や虚血性心臓病では、高血圧や動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病の悪化により心臓が傷つけられます。心臓から血液を体に押し出す大動脈弁が動脈硬化などにより硬くなり弁が開きにくくまた閉まらなくなると、大動脈弁狭窄(きょうさく)や逆流症を起こします。その結果、左心室が伸びて広がってしまいます。弁の機能が低下する弁膜症が進行している場合には手術が必要となります。大動脈弁の弁膜症に合併する心室性期外収縮の治療は、弁膜症の治療適応が優先されます。
動脈硬化の進行による冠動脈の狭窄や閉塞(へいそく)による狭心症、心筋梗塞などの虚血性心臓病によって引き起こされる心室性期外収縮が多発することもあります。心臓の電気回路も冠動脈から血液をもらって生きていますから、血の巡りが悪くなれば電気回路がショートや漏電を引き起こしてきます。
冠動脈が完全に詰まって電気回路や心筋の一部の死んだ(壊死=えし)部分と、その周囲の何とか生き残っている部分で漏電が生じてきます。冠動脈狭窄があってまだ心筋の生き残っている部分があれば、その部分を風船で広げてステントという冠動脈の内張りをあてるカテーテル治療をしたり、心臓バイパス手術をする必要があります。