進化する治療を知ると肺がんも怖くない<27>
「肺がん」治療の「放射線療法」は、さまざま行われています。前回に取り上げた、放射線療法での根治的治療が対象になる肺がん患者さんは、多くある放射線療法の知識も取り入れ、主治医と話し合いができるようにしておくと良いでしょう。
◎定位放射線治療 通常の外照射よりも高い精度で、放射線を病変に集中照射する治療です。周辺の正常組織の被曝(ひばく)を減らします。CT画像をもとにがんの形や位置に合わせてピンポイントで照射します。1回の照射が高く、4~5回程度の少ない回数で終了できます。何より、ピンポイントで照射するので、副作用が少ないメリットがあります。この治療の対象になるのは、がんの大きさが5センチ以下で、リンパ節転移のない早期がんです。そして、「ガンマナイフ」もこの治療の1つで、東京女子医科大学病院の脳神経外科は1993年にガンマナイフ機器を導入しました。ガンマナイフは、頭を開けずに放射線の一種のガンマ線で切り込んで、がんを切除するイメージです。治療数の最も多いのが『転移性脳腫瘍(しゅよう)』。肺がんは脳転移も多く、当院ではガンマナイフで治療します。
◎粒子線治療 この治療は、陽子線、重粒子線による放射線治療です。がん部分にピンポイントで照射するので、周囲の正常な細胞へのダメージは少なく、治療効果を高めることができます。対象となるのは、定位放射線治療と同じく病期が1期から2A期で、大きさは5センチまでの転移のないがんです。2024年6月から重粒子線治療は保険適用になりました。
このほかにも、「MRリニアック」「IMRT(強度変調放射線治療)」など、放射線の治療は増えています。主治医、放射線科医と十分に話し合い、納得して治療を受けてください。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)