脳が働く最強の時間/医師で作家・鎌田實氏

健康連載「鎌田式『百年健康』のつくり方」

鎌田式『百年健康』のつくり方<48>

頭を使ってスーパーエイジャーになる

80歳になっても若者に負けない記憶力を持ち続けることはとても大変。高齢になると脳が弱くなると思われているが実は違う。言語力や抽象力、抽象的推論力、空間推理力などは、高齢者の方が若者よりも優れていることが証明されている。

20代の若者が強いのは、記憶力と認知スピード。自分が78歳になって明らかに感じるのは、記憶力と認知スピードが遅くなったということ。

記憶力にいい時間帯3選

最大のゴールデンタイムは、夜寝る1時間前。記憶はまず海馬に蓄えられ、寝ている間に大脳新皮質へ移る。ここへ移ればハードディスクドライブのように長く残る記憶になる。

次に記憶にいいのは早朝。朝の脳は睡眠によって前日の記憶が整理され、記憶するスペースが増えている。朝起きて、昨夜の記憶を5分だけでもおさらいすると、さらに記憶の定着が良くなる。

もうひとつのゴールデンタイムは、昼寝の後。ぼくは昼食の後5分ほど頭の中を整理して、15分ほど昼寝する。そのあとまた、10本ほどの連載原稿にとりかかる。書くことで記憶はさらに確かなものになっていく。

3つのゴールデンタイムを上手に利用し、高齢者が得意とする推論力などをうまく使いながら、ぼくは仕事の効率化を図っている。

記憶力のいい人はおしゃべりな人が多いというデータもある。覚えたことを人に話すことによって記憶力は50%アップする。説明するとさらに90%近くも記憶力がアップすると言われている。記憶したことを、話したり、書いたり、議論したりすることが大事なのだ。