体重を減らして「SAS」対策/日本肥満症予防協会・宮崎滋理事長

健康連載「11の健康障害を起こす『肥満・肥満症』対策」

11の健康障害を起こす“肥満・肥満症”対策<11>

「肥満」が原因で起こる健康障害は11あるといわれています。ここまでに7つの病気をとりあげました。今回は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」と「月経異常・不妊」にスポットをあてます。

SASとは、眠っている間に何度も呼吸が止まり、睡眠が中断される病気です。首回りに脂肪がつくと、上気道が狭くなり、熟眠に入ろうとすると呼吸が止まるので、目が覚めます。それを夜中に何度も繰り返すので、熟眠できません。だから、起きても熟眠感がなく、昼間に強い眠気があるのです。10秒以上の呼吸の停止を無呼吸とし、1時間当たり5回以上あるとSASと診断されます。

SASは眠気だけの問題ではなく、血圧も上がります。睡眠時に呼吸が止まると、交感神経(興奮の刺激を全身の器官に伝える神経)が非常に高ぶるため、就寝時や起床時に高血圧状態になっているのです。それが心筋梗塞を起こりやすくします。その根っこにあるのが肥満。血圧の薬で血圧を下げても意味がありません。体重を減らすのが何より重要です。

次は、月経異常・不妊--。これは女性の問題ですが、やはり体重と大きく関係しています。女性は太ってくると、膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンのインスリン抵抗性が強くなることで女性ホルモンが抑えられ、男性ホルモンが増えてきます。それで卵巣の表面の膜が硬くなり、排卵しなくなり、生理がなくなります。肥満によって「無排卵性の無月経」になります。

だから、肥満で不妊の人は体重を減らすと、月経が戻って排卵も戻ります。体重を減らすのは、月経異常・不妊においても重要なポイントであることを、しっかり覚えておいてください。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)