11の健康障害を起こす“肥満・肥満症”対策<12>
「肥満」が原因の健康障害、今回は「代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」と「運動器疾患(変形性関節症など)」をとりあげます。
MASHはアルコールが関係することなく、肥満や糖尿病などの代謝リスクが関連する脂肪肝です。内臓脂肪型肥満になると肝臓に脂肪がたまりやすくなります。肝臓に脂肪がたまると肝臓が肥大化し、肝機能が低下します。それは体重が増えるとはっきりわかります。BMI「体格指数=体重(キロ)÷身長(メートル)■(上付き2)」が30の場合、80%が脂肪肝を合併しています。それが32を超えると、ほぼ100%が脂肪肝です。
肥満で「血圧が高い」「糖尿病がある」「脂質異常症がある」といった人たちは、お酒は飲まなくてもMASHになりやすいのです。それを放っておくと肝硬変、肝臓がんへと進行します。“お酒を飲まないから大丈夫”などとMASHを軽く見ないで、しっかり肥満改善を行うことが重要です。
そして、運動器疾患(変形性関節症など)--。この関節の障害で多いのはひざ関節、股関節の変形性関節症。加えて、腰痛などもあります。体重が重いと関節に負荷がかかるので「歩くと痛い」と言って歩かなくなります。歩かないと運動できなくなるのでまた太る、という悪循環に--。
では、運動をしようと考えて「階段の上り下りをします」という人がいます。肥満の人が運動で階段を使うときは、下りはダメです。関節に普段の3倍の圧がかかるからです。階段ではのぼりが運動と考え、下りはエレベーターを使いましょう。運動は正しく実践しましょう。
次回は、「がん」と「認知症」をとりあげます。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)