11の健康障害を起こす“肥満・肥満症”対策<17>
「肥満症」の治療は「生活習慣改善療法」と「薬物・外科療法」に分けられ、さらに生活習慣改善療法は「食事療法」「運動療法」「行動療法」に分けられます。食事療法は紹介しましたので、この17、18回は運動療法を取りあげます。
身体を動かす活動のすべてを「身体活動」と言い、体力の維持、向上を目指す「運動」と「生活活動」に分けられます。生活活動は、家事や通勤、作業などでの歩行で、ごく日常的な身体活動のこと。自宅や会社にいるときに、ずっと座りっぱなしではなく、立って動き回っている人も少なくありません。それが日常的な生活活動で、あまり動こうとしない人に比べ、エネルギー消費量が約20%増加します。だからこそ、生活の中で自然と体を動かすことが重要です。
そして、運動の基本は「ウォーキング」。カロリーを消費するには、激しい運動を長く行うほうが良いのですが、スポーツマンはしっかり食べてたくさん運動をすることはできますが、普通の人にはそれは無理です。だから、ウォーキングです。
ウォーキングは10分で約1000歩です。20代から50代くらいまでの方々は1日最低8000歩を歩きましょう。時間にして80分。80分のウォーキングを1度に行う必要はなく、トータル80分です。
通勤時間を上手に使いましょう。自宅から駅まで歩いて10分、会社も駅から10分の場合、通勤に往復40分歩けます。そこをウォーキングすると4000歩。加えて、昼食時は少し遠回りをしてお店に行きましょう。片道15分にすると30分で3000歩。あと10分は会社から駅、もしくは自宅から駅の間を少し遠回りすると8000歩は合格です。できれば、会社内でも、仕事の合間にいろいろ動き回ると良いでしょう。
そして、自宅や会社の休み時間に「スクワット」などを自分で工夫して行うときちんとした運動療法になります。まずは、実践してみましょう。(医学ジャーナリスト 松井宏夫)