歯学博士・照山裕子の「口から老ける人、若返る人」<2>
若々しく見える人の共通点は何でしょうか。清潔感に影響する3要素は「肌」「髪の毛」「服装」とされてきましたが、近年では「におい」や「口元」といった細部にも気を配るべきだという考え方が一般的です。
職場でのスメルハラスメントに関する相談は年々増えており、口臭の最大要因とされる歯周病のチェックは、もはや身だしなみの一部とも言えます。こうした時代背景に伴い、男性の間でも歯並びや歯の色についての関心が高くなっているという調査結果もあります。実際、歯の色を変えた顔写真を使った研究では、歯の白さによって見た目年齢やその人が醸し出す魅力の評価が変わることが報告されています。
そもそも私たちの歯は、年齢とともに色が変化します。歯の表層を覆うエナメル質は半透明で、その内側に黄色みを帯びた象牙質があります。加齢に伴い象牙質の厚みは変化しますし、エナメル質の摩耗や咬耗(こうもう=すり減り)も生じます。肌にシミやしわができるのと同様、歯も徐々に黄ばんだり暗く見えたりするのです。コーヒーや紅茶、赤ワインやたばこといった嗜好(しこう)品による着色も、当然清潔感を損なう要因です。
では歯は白ければ白いほど良いのでしょうか。答えは「必ずしもそうではない」です。歯科医師と一般の方を対象にした研究では、最も明るい歯の色が必ずしも最も魅力的だとは評価されなかったというデータが出ています。大切なのは、肌の色や顔立ちとの調和です。天然の歯を医療ホワイトニングで漂白していく場合、透明感のある自然な明るさが得られるのですが、セラミックなどを表面に貼り付けることによって人工的な白さでカバーしようとする場合は、ともすると不自然な印象になることもあります。
口元の印象を変えたい場合、顔立ちや肌との調和を見て診察してもらいたい旨を歯科医院で伝えてみてください。