【フィギュア】羽生結弦「人生の中で落とし物してきたもの」伝説フリーSEIMEIなど9曲披露

練習に臨む羽生(撮影・垰建太)

北京五輪フィギュアスケート男子4位の羽生結弦(27=ANA)が18日、当地で行っている個人練習を締めくくった。

2日連続で首都体育館のサブリンクに姿を見せ、歴代ピアノ曲など9つのプログラムを披露。最後に18年平昌五輪で2連覇した伝説のフリー「SEIMEI」を舞い「スケート人生の中で落とし物してきたものを全部やろう」と説明した。3度目の五輪を総括する滑りだった。今後は、最終日20日に出演する予定のエキシビションに向けて全体練習に合流する。

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北京五輪も、あと2日で幕を閉じる。10日のフリー後も当地に残る羽生が個人練習の最終日を迎え、舞った。前日はロックナンバー3曲を演じ、この日はピアノ曲だ。「ホープ&レガシー」「パガニーニの主題による狂詩曲」「ノートルダム・ド・パリ」「ロミオとジュリエット」を重ねた。

「選曲の理由は、今までのスケート人生の中で落とし物してきたものを全部やろう。今ならできると思って」

「落とし物」とは、若き自身が達成できなかった課題だ。初の金メダルに輝いた14年ソチ五輪シーズンのフリー「ロミオとジュリエット」。当時の壁は4回転サルコーでソチも含め5戦連続で失敗していた。ようやく降りた世界選手権で初の王者に。この日もしっかり決めて成長を実感した。「ノートルダムでサルコー決められなかったな」とも回想し、これも克服した。

続くは、前回18年平昌五輪で2連覇したショートプログラム(SP)曲「バラード第1番」。鍵盤の音に合わせて氷上を弾む。2分50秒間、フルで演じ切ると自ら拍手した。その後も歴代のプログラムを重ねる。「どうだっけな~」と思い出しながら。「秋によせて」「ホワイト・レジェンド(白鳥の湖)」も再演し、ジャンプも跳んだ。右足首を捻挫中だが、痛み止めを飲みながら。「バラード第1番」で後半に組み込もうと試行錯誤した4回転トーループも美しく着氷した。

平昌五輪のエキシビション曲「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」も舞い、息を切らしながら笑顔になった。最後だけピアノではなかった。9曲目は代名詞の「SEIMEI」。あのフィニッシュを決めると、場内に大きな歓声が湧いた。

40分間で9曲という異例の上演を終えると、羽生は取材エリアで立ち止まる。「心のおもむくままにスケートしました。自己満足かもしれないけど、自分の中でやり切れたなと」。すっきりした表情で「平昌の時はこうだったな、とか思い出しながら。『SEIMEI』の最後のステップも一生、忘れないですしね」と輝かしい記憶をたどった。

「僕自身へのご褒美でもあり」と笑って言葉を重ねた。「今までの道のりを、ありがとうございましたと思って滑りました」。今後については14日の会見で「羽生結弦が大好きなフィギュアスケートを大切にしながら究めていけたら」と語った。3度目の五輪はメダルに届かなかったが、2連覇した夢舞台への愛は変わらない。「皆さんへの感謝を込めて」北京大会を締める演舞だった。【木下淳】

 

▽羽生結弦が披露した9曲

(1)ホープ&レガシー(16-17年フリー)

(2)パガニーニの主題による狂詩曲(08-09年、09-10年フリー)

(3)ノートルダム・ド・パリ(12-13年フリー)

(4)ロミオとジュリエット(13-14年フリー)

(5)バラード第1番(14-15年、15-16年、17-18年、20年SP)

(6)秋によせて(18-19年、19-20年SP)

(7)ホワイト・レジェンド(10-11年SP)

(8)ノッテ・ステラータ(18年平昌五輪エキシビション)

(9)SEIMEI(15-16年、17-18年、20年フリー)