【モーグル】堀島行真、50キロの道のりを自転車で 銅のエア磨いたウォータージャンプ場へ

モーグル日本代表の堀島行真の練習場所となった三重県桑名市のウォータージャンプ施設K-Air(浜田所長提供)

<北京オリンピック(五輪):フリースタイル>◇男子モーグル決勝◇5日◇雲頂スキー場

日本モーグル男子のエース堀島行真(24=トヨタ自動車)が、北京五輪の日本勢第1号となる銅メダルに輝いた。

   ◇   ◇

雪が少ない岐阜県池田町で生まれ育った堀島が、モーグル競技を始めたのは小学4年生のとき。そのころからジャンプ技術を磨くために利用してきたのが、三重県桑名市にあるウォータージャンプ場「K-air」という施設だ。水着姿でスキー板を履いてジャンプを繰り返し、堀島少年はエアの技術を磨いた。

同施設に通い始めたきっかけについて、浜田聡所長(40)は、「あるスキー場のじゃんけん大会で、堀島選手のお姉さんが当施設のチケットを当たったことがきっかけと聞いている」と話す。通い始めた当初はジャンプをした経験がなかった堀島だが、体操競技で身につけた身のこなしを生かして初日にいきなり宙返りに成功。その後もみるみる腕を上げた。浜田所長は、「小学生のころから大人と張り合えるぐらいの技をやっていた」と証言する。

実家の池田町と練習施設がある桑名市は約50キロほど距離が離れている。普段は父の運転する車で通っていたが、夏休みになると片道3時間近く自転車をこいでやってきたこともあった。中学時代には2時間半で100本ものジャンプを次々こなし、満足そうな表情を浮かべていたという。抜群のセンスと練習量が、銅メダルの礎となった。【奥岡幹浩】