日本のメダルラッシュが期待されるスノーボードのハーフパイプが9日の予選から始まる。男女とも2本滑り、いい方の得点で上位12人が決勝に進出。女子は10日、男子は11日に決勝が行われる。
男子でメダルの色を分けるのは「トリプルコーク1440(フォーティーン・フォーティ)」(縦3回転、横4回転)と言われる。公式戦では平野歩夢が昨年12月に世界で初めて成功。戸塚雄斗や平野流佳も練習で決めているという。大会ごとに急速に進化するトリック。前回平昌大会は「ダブルコーク1440」が平野歩の勝負技だったが、4年間で縦に1回転増えたわけだ。
ただ、難度の高い技を決めれば勝てるかといえば、そうとも限らない。トリックに対して得点が決まっているわけでもない。同じトリックでも高さや速度、グラブ(手でボードをつかむ)の有無、さらにグラブの位置や長さも採点の対象だ。回転数が少ない方が、高く評価される場合もある。
大事なのは5、6個入るトリックの流れ。難度だけでなく、いかに「かっこよく」「おしゃれ」に「誰もやらないこと」ができるかどうか。重視するのは「全体の印象」。タイムを争うスピードスケートや距離を競うスキージャンプと比べて分かりにくいが、それがスノーボード。観客や他の選手、ジャッジに「やばい」「かっけー」と思わせるランに得点がでる。
世界トップレベルの日本選手にとって、予選突破は決して難しくはない。ただし、チャンスは2本。ともにミスをすると、決勝には進めない。さらに、平昌オリンピック(五輪)で最後にホワイトが平野歩を逆転したように、1位突破で最終滑走者になるアドバンテージもある。1本目は確実に得点して2本目に一発狙うか。2本とも上位を目指して挑むか。各選手の戦略も楽しみだ。【荻島弘一】