西勇輝(23=野村不動産パートナーズ)が男子100メートル(車いすT54)で優勝した。課題のスタートダッシュは「良くなかったですね」と反省したが、持ち味の後半の伸びでライバルたちを抑え込んだ。

 「やっぱり花形ですからね」と、100メートルにこだわる姿勢を明言した。7月の世界選手権。200メートルでは決勝に進んで8位に入賞したが、100、400メートルは予選敗退。特に100メートルの決勝をロンドンのスタンドから観戦し、会場の盛り上がりに圧倒されたという。その時、強く心に誓った。「20年東京では、100で決勝に残ってメダルを取りたい」。

 このオフ、徹底して体をいじめ抜く。昨年までは走り込みに集中してきたが、新たに世界に通用するスタートを身につけなければならない。「冬のトレーニングはつらいですが、目標を立てましたから」。西の優しい笑顔が引き締まった。

 決意を証明するように400メートルも制覇。第1日を2冠でスタートした。