日本代表・火ノ玉ジャパンAが優勝を飾った。

リオデジャネイロ・パラリンピック銀メダリストの杉村英孝(37=伊豆介護センター)を中心に昨年12月の日本選手権各クラス優勝者4人で編成された火ノ玉ジャパンAは、決勝で健常者の社会人チームNECと対戦したが、4エンドを終えて3-3と決着がつかず。主将同士がコート中央のジャックボール(目標球)にどれだけ自球を近づけられるかを競うファイナルショット合戦を河本圭亮(19=あいち協会)が制した。

杉村とともにリオで銀メダルを獲得した広瀬隆喜(34=西尾レントオール)ら日本選手権準優勝者4人の日本代表・火ノ玉ジャパンBは準決勝でNECに敗れたが、3位決定戦でチーム武蔵野を下した。

パラリンピック競技のボッチャを広く一般のスポーツとして普及させ、競技力向上を目指す大会は今年で3回目。障害の有無や年齢に関係なく誰でも参加可能で、今回はシニア、一般、大学、高校、小学校別の予選に全国から約100チームが参加した。この日は予選勝者など18チームが3チームずつ6組に分かれた1次リーグを行い、各組1位に日本代表A・Bを加えた8チームが決勝トーナメントを戦った。

日本代表・火ノ玉ジャパンAが優勝を飾った。決勝の健常者チームNEC戦は4エンドを終えて3-3。お互いに正確なショットの応酬で決着がつかなかった。

「危ない場面は何度もありましたね。手に汗握るしびれる展開でした」とリオデジャネイロ・パラリンピック銀メダリスト杉村英孝(37=伊豆介護センター)。主将同士がコート中央のジャックボール(目標球)にどれだけ自球を近づけられるかを競うファイナルショット合戦を制して優勝を決めた河本圭亮(19=あいち協会)は「最後に円陣でみんなに気合を入れもらった。日本選手権の決勝よりも緊張しました」とホッとした表情だった。

今年で3回目の開催だが、一般のシニアや社会人のレベルは急上昇。昨年12月の日本選手権クラス別優勝者4人をそろえた火ノ玉ジャパンAでも優勝は簡単ではなかった。それでも杉村は笑顔で「パラスポーツの枠を超えて誰でも楽しめるのがボッチャの魅力。強化とともに普及にももっと力を入れていきたい。より多くの人に知ってもらって、東京パラリンピックの会場を満員にしたい」。日本のエースは大声援を受けながら悲願の金メダルを手にするシーンを思い描いているようだった。