女子世界ランク9位で第7シードの田中愛美(22=ブリヂストンスポーツアリーナ)が、石本直美を6-0、6-0のストレートで下して初戦を突破した。

25日の準々決勝で世界2位で第2シードの上地結衣(25=三井住友銀行)と対戦する。

機動力に富むチェアワークとフラット系の強打で圧倒した。石本とは15年の初対戦で敗れて以来5連勝だが、1ゲームも落とさない“完勝”は初めてだった。試合後は石本のリクエストで2人並んで記念撮影。「優勝目指して頑張って!」と激励され、名前通りの愛くるしい笑顔で応えた。

「去年のこの大会で、初めてスーパーシリーズでベスト4に入れました。今回は決勝進出を目指して頑張りたいです」。昨年の準々決勝で世界3位のアニーク・ファンクート(オランダ)を倒している。グランドスラムに次ぐグレードの大会での金星が自信になった。その後は世界ランク上位の選手と互角に渡り合い、時には白星を挙げられるようになった。昨年12月に初めて世界トップ10に名を連ね、今年2月には9位に浮上した。日本では上地に次ぐ地位を固めつつある。

その上地と準々決勝で顔を合わせる。「シングルでやるときも、ペアを組ませてもらうときも、緊張しすぎて頭の中が真っ白になって自分のやるべきことを見失ってしまう。まず、平常心で戦うことを目標に頑張りたい」。尊敬してやまない先輩にはこれまで6連敗。田中はどこまで食い下がれるか。【小堀泰男】