ラグビー日本代表の快進撃に力を得て、車いすラグビーの日本代表が再び世界の頂点を極める。世界ランキングトップ10以内の強豪8チームが集うワールドチャレンジ2019の公開練習、会見が開幕前日の15日、大会会場の東京体育館で行われた。

昨年8月の世界選手権を制し、現在世界ランキング2位の日本は、東京パラリンピックで悲願の金メダルを獲得すべく強化を進めている。公開練習でチームメートと激しくボールを奪い合ったエース池崎大輔(41=東京サンズ)は、同10位ブラジルとの開幕戦を前に高ぶる思いを抑えるように言った。「僕たちは誰も自分たちを世界チャンピオンだとは思っていない。常にチャレンジャーとして戦っていく。この大会も結果はもちろん、内容にもこだわりたい」。

ラグビーW杯で日本が1次リーグA組1位突破、ベスト8を決めた13日のスコットランド戦を、池崎ら代表メンバーは合宿中だった都内の味の素ナショナルトレーニングセンターでテレビ観戦。その激闘から「競技の違いがあるにしても、体を張って粘り強く戦う姿は刺激になった。モチベーションを上げてくれる試合でした」と大きなエネルギーをもらった。

出場8チームは東京パラと同じで文字通りの前哨戦になる。会見に臨んだ池透暢主将(39=フリーダム)は「世界のトップを相手に今までやってきたことがどれだけ出せるか。情報を収集すると同時に、自分たちの課題を見つけたい」と意気込みを語った。チーム率いて3年目のケビン・オアー監督(51=米国)は「池、池崎だけではなく、若い選手も使ってさまざまなライン(選手の組み合わせ)を試したい」と、戦いを通じてチームの底上げを図る考えを明かした。

大会は8チームが2組に分かれて1次リーグを戦い、各組上位2チームが19日の準決勝に進み、20日に決勝、3位決定戦が行われる。日本の最大のライバルは別組に入ったパラリンピック2連覇中の世界1位オーストラリア。世界選手権決勝で勝ち、先月のアジア・オセアニア選手権決勝で敗れた宿敵を倒し、東京パラにつながる優勝を目指す。【小堀泰男】

1次リーグの組分けは以下の通り。

【A組】日本<2>、英国<4>、フランス<6>、ブラジル<10>

【B組】オーストラリア<1>、米国<3>、カナダ<5>、ニュージーランド<9>

※<>内は世界ランキング