<車いすラグビー:ワールドチャレンジ2019>◇第4日◇19日◇東京体育館◇準決勝

世界ランキング2位の日本は同1位のオーストラリアに56-57(15-15、11-13、14-12、16-17)で惜敗し、決勝進出はならなかった。

第1ピリオド(P)は互角。第2Pに2点をリードされたが、第3Pにターンオーバーの応酬の末に40-40と追いついた。しかし、最終第4P立ち上がりにミスからボールを失って再びリードされ、逆転には至らなかった。日本は20日の3位決定戦で世界3位の米国に敗れた同4位英国と対戦する。

世界ランキング10位以内の8チームが集結し、大会方方式も東京パラリンピックと同じ前哨戦。オーストラリアは昨年8月の世界選手権決勝で破り、先月のアジアオセアニア選手権決勝で敗れた宿敵だ。1つのミスが命取りになる世界最高峰の緊迫した試合。相手のエース、ライリー・バット、クリス・ボンドの速くて力強い攻撃に組織的な守備で耐えながらも抑えきれなかった。池透暢主将(39=フリーダム)がプレッシャーを受け、前線の池崎大輔(41=東京サンズ)へのロングパスが思うように通らなかったのも響いた。それでも2人を中心に得点を重ねたが、1点及ばなかった。

25得点の池崎が激戦を振り返った。「悔しいのひと言。力がなかったということ。チャンスに詰めきれなかった。コミュニケーションを含めて細かい部分の精度を上げていかなければならない」。15得点の池が続けた。「もしかしたら勝てたかも、という試合だった。相手はイメージ通り。ただ、僕たちの準備不足。今の努力ではまだ足りない、まだやるべきことがあるということ。アイデア、チーム力が足りない」。守備の中核を担う若山英史(34=沖縄ハリケーンズ)、今井友明(36=東京サンズ)の目は赤かった。出番がなかった17歳のポイントゲッター橋本勝也(東北ストーマーズ)は、何度も悔し涙を拭った。

昨年の世界選手権に続いて頂点に立ち、東京パラリンピックの金メダルにつなげたかっただけにショックも大きい。ケビン・オアー監督(51=米国)は「選手が試合を通じて同じレベルで戦えなかった。ホープ(勝利を望む)ではなくビリーブ(勝利を信じる)でなくてはいけない」とメンタル面を含めた成長を要求した。オーストラリアとは世界選手権からの1年あまりで通算4勝4敗。さらに実力差のない米国、英国を含めた4強の中から抜け出すために、日本のチャレンジは続く。【小堀泰男】

◆車いすラグビー◆

▼4対4 四肢に障害のある選手が4対4で戦う。ラグビー、バスケット、バレー、アイスホッケーなどの要素が組み合わされ、バスケットと同じサイズのコートで行う。

▼クラス分け 選手は障害の程度でクラス分けされ、持ち点がつけられる。重い方の0・5点から軽い方の3・5点まで0・5点刻みに7段階で、4人の持ち点合計が8点以下でなければならない。3・0以上の選手をハイポインター、1・5以下の選手をローポインター、中間の選手をミドルポインターと呼ぶ。

▼前方へのパスOK バレーボールと同じ大きさの専用球を使い、パスや選手が保持して相手側のトライラインまで運ばれる。前方へのパスも可能。ボールを保持した選手は10秒に1回ドリブルするか、パスしなければならない。トライが決まれば1点。

▼試合時間 1ピリオド(P)8分の4P制。