世界ランキング2位の日本は同4位の英国を54-49(14-13、13-11、13-13、14-12)で破り、銅メダルを確保した。決勝では世界3位の米国が同1位のオーストラリアを59-51で下した。

日本は19日の準決勝でオーストラリアに屈したショックから完全に立ち直っていた。組織的な守備でターンオーバーを奪い、池透暢主将(31=フリーダム)、池崎大輔(41=東京サンズ)、島川慎一(44=ブリッツ)らがトライを重ね、欧州王者に1次リーグに続いて連勝した。激しいタックルでボールを奪い、攻撃でも13点を挙げた池は言った。「金メダルを失ったことは忘れてはいけないが、ベンチを含めたチーム力は確実に上がっていると感じた」。

日本をはじめベスト4に勝ち上がったチームは、今年5月に米国で開催された4カ国対抗で対戦した。2回戦総当たりの1次リーグでは全チームが3勝3敗で並び、総得点差による決勝で英国が米国を下し、日本は3位決定戦でオーストラリアを破った。4チームの力はどこが勝ってもおかしくないほど拮抗(きっこう)している。

「今できる最高の結果だと思う。これから1日1日成長して、来年に必ずリベンジしたい」と25得点の池崎は大会を振り返った。ベテラン岸光太郎(48=アックス)は「金メダルを狙えるが、金メダルを取れるチームにはまだなっていない」と現状を表現した。日本は強くなっているが、ライバルも成長を続けている。

若きポイントゲッター橋本勝也(17=東北ストーマーズ)をはじめとする新戦力の育成、複数のライン(選手の組み合わせ)の強化、プレーの精度向上、メンタル面の充実…。やるべきことはある。「これからも最大の努力をして、来年は必ず金メダルを取って、応援してくださるみなさんを泣かせたい」と池。昨年の世界選手権を制した日本は、悔しい銅メダルをエネルギーにして東京パラリンピックへ向かう。【小堀泰男】

◆車いすラグビー◆

▼4対4 四肢に障害のある選手が4対4で戦う。ラグビー、バスケット、バレー、アイスホッケーなどの要素が組み合わされ、バスケットと同じサイズのコートで行う。

▼クラス分け 選手は障害の程度でクラス分けされ、持ち点がつけられる。重い方の0・5点から軽い方の3・5点まで0・5点刻みに7段階で、4人の持ち点合計が8点以下でなければならない。3・0以上の選手をハイポインター、1・5以下の選手をローポインター、中間の選手をミドルポインターと呼ぶ。

▼前方へのパスOK バレーボールと同じ大きさの専用球を使い、パスや選手が保持して相手側のトライラインまで運ばれる。前方へのパスも可能。ボールを保持した選手は10秒に1回ドリブルするか、パスしなければならない。トライが決まれば1点。

▼試合時間 1ピリオド(P)8分の4P制。