パラ卓球の選手が来年に延期された東京パラリンピックへ動きだした。日本肢体不自由者卓球協会は7月3日から3日間、東京都内の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)で日本代表チーム強化合宿を開催した。

協会公式ブログによると20年度最初の強化合宿、約3カ月ぶりになるNTCでの練習に初日から姿を見せたのは女子車いす3クラスの茶田ゆきみ(32=スヴェンソン)。体調を考慮しながらスタッフと軽くボールを打ち合い、試合内容を分析するミーティングなどを消化した。

2日目からは男子車いす4クラスの斉藤元希(18=東京国際大)が合流。新型コロナウイルスの影響で2人とも思うような練習ができていなかったが、久しぶりの車いす選手同士のラリーに汗を流した。練習前後には卓球台、ボール、車いすなどを入念に消毒するなど、感染予防にも十分に留意しながら3日間の日程を終えた。

日本肢体不自由者卓球協会は7月1日、世界ランキングによって男子立位9クラスの岩渕幸洋(25=協和キリン)、同立位7クラスの八木克勝(30=モルガン・スタンレー・グループ)の東京パラリンピック代表内定を発表。そのほかの選手は来年4月にスロベニアで行われる世界最終予選などで代表入りを目指す。協会は「参加人数を増やしながら段階的に活動を再開していきたい」としている。

茶田ゆきみの話 不安な日々が続いていましたが、また練習ができることへの感謝の気持ちや卓球の楽しさをあらためて感じた合宿でした。これからもコロナ対策を徹底しながら、しっかりレベルアップしていけるように頑張りたい

斉藤元希の話 約4カ月間練習できず、筋トレや試合動画からの研究などに取り組んできました。ボールが打てたことで気力がわいてきて、少し日常が戻ってきたという意味では安心しました。体力面、技術面など心配はありましたがけがをすることなく、技術の確認ができました