プーチン政権、パラリンピックもメダル至上主義

 ロシアのプーチン政権は自国開催の2014年ソチ・パラリンピックに向けてふんだんに資金を投入し、“世界最強”の選手団をつくりあげた。国威発揚のため、五輪と同様にメダル至上主義を推し進めた形だ。一方で、障害者福祉の充実や社会参加の拡大などの面では、欧米と比べ遅れている。

 1980年モスクワ五輪の際、当時のソ連はパラリンピック開催を受け入れなかった。障害者を負のイメージで捉え「ソ連に障害者はいない」と言い張ったからだ。

 英BBC放送によると、ソ連のパラリンピック初参加は88年冬季大会。この時は2個の銅メダルを取っただけ。それが10年バンクーバー冬季、12年ロンドンでは金メダル数2位にまで躍進した。

 ただ、ソ連崩壊後もロシアでパラリンピック選手はほとんど注目されなかった。街に出る障害者は今も少ない。ロシアの障害者の雇用率は事実上2割にすぎないとも指摘される。交通機関などの対応も不十分だ。

 プーチン氏はソチ大会に際し「パラリンピックはどこであれ、政府支援のおかげで発展してきた」と強調。報奨金も五輪並みに引き上げ、金メダルを取れば400万ルーブル(当時のレートで約1100万円)を与えると約束した。日本のソチ大会の金メダル報奨金は150万円だった。

 ロシア選手団はソチで金30個を含む計80個のメダルをもぎ取り、国別で2位以下を大きく引き離して首位となった。

 その裏に国家主導のドーピングがあったと世界反ドーピング機関(WADA)の報告書は指摘。12~15年の間、陽性反応が出たロシア選手の35検体について、陰性と虚偽の報告がされたという。