車いすテニス上地結衣が逆転勝ち「金」へ着実

試合開始前にネットを挟んで笑顔を見せる上地結衣(左)と大谷桃子(撮影・小堀泰男)

<車いすテニス女子シングルス・エキシビション>◇27日◇有明コロシアム◇1セットマッチ

世界ランクキング2位の上地結衣(25=三井住友銀行)が、同10位の大谷桃子(24=かんぽ生命保険)に6-3で逆転勝ちした。

東京パラリンピックのテストイベントとして行われた日本のトップ2によるスペシャルマッチ。上地はいきなりサービスゲームを落とすなどリードを許したが、2-3から4ゲームを連取して底力を見せつけた。

上地は苦笑いで逆転勝利を振り返った。「最初は押されてました。あまり感触はよくはなかったですね。思ったよりお客さんも入っていて、緊張しました」。

世界のトップで戦っていても、有明コロシアムのような独特の空間でプレーする機会は少ない。コート後方やサイドが広くて距離感が難しく、相手を遠く感じるという。その影響からか序盤は大谷の強打に押されてコート後方で守勢に回った。しかし、正確なストロークに新たな武器であるドライブボレーを織り交ぜて中盤以降は流れを取り戻した。

昨年10月にジャカルタ・アジアパラを制して東京出場を決めている。大谷とは同大会準決勝以来の対戦で、これで“4連勝”となった。「新しくなった有明で初めてプレーさせていただいてありがたかった。東京まで焦らずにやるべきことをやって迎えたい」。グランドスラムのシングルスで通算6勝もパラリンピックの過去2大会では8強、銅メダル。コートだけではなく、会場内の動線やトイレ、シャワールームなどもチェックした。悲願の金メダルへ、上地が着実に準備を進めていく。