パラ卓球岩渕PRイベント開催 リオ銅の吉村ら参加

イベント終了後に笑顔で会見する岩渕幸洋(撮影・小堀泰男)

パラ卓球の男子立位クラス9で東京パラリンピック代表に内定している岩渕幸洋(25=協和キリン)が23日、自らが企画したイベント「IWABUCHI OPEN」を開催した。

会場は岩渕が生まれ育った東京都練馬区にある中村南スポーツ交流センター。男子車いすクラス4の斉藤元希(19=東京国際大)、同クラス5の中本享(30=ドマーニ卓球ク)、同立位クラス10の垣田斉明(36=八代市役所)というパラの実力者に加え、健常のプロ選手としてリオデジャネイロ五輪男子団体戦銅メダルの吉村真晴(27=愛知ダイハツ)、12年世界選手権代表の松平賢二(31=協和キリン)もゲストとして参加した。

新型コロナウイルスの影響で今年はパラ卓球の国内大会が軒並み中止。岩渕は仲間に少しでも実戦の機会を提供し、競技を広くPRしたいと今回のイベントを立案。クラウドファンディングで目標の50万円を超える56万円を集めて実現にこぎつけ、協力者と練馬区民ら約60人がスタンドから観戦した。

「支援していただくことでパラ卓球の魅力をより多くの方々に知ってほしかった」と岩渕。吉村とのエキシビションマッチと垣田との真剣勝負の2試合に登場し、連敗したもののクロスゲームとダイナミックなプレーで会場を沸かせた。今年からパラ卓球アンバサダーも務める吉村は、岩渕戦で左腕を胸に押し当てたまま動かさずにプレーし「初めてのイベント参加でしたが、パラの難しさを体験できたし、大会を無事終えられてよかった。僕自身、もっと鍛えないと」と笑顔で振り返った。

「コロナウイルスに関連してネガティブな話も耳にしますし、今回開催していいかどうか迷いましたが、協力していただいた方々を信じてやってよかった」。岩渕はイベントの成功にホッと胸をなで下ろし、今後も裾野拡大に力を尽くしていくことを明言。「東京パラリンピックへ向けて、大会を準備する方々、大会を待っていてくれる方々のことを信じて、僕もぶっつけ本番でも戦えるように準備したい。目標は金メダル以上です」と、自らの活躍でさらにパラ卓球の認知度を向上させることを誓った。

イベントでは斉藤対中本の真剣勝負、斉藤と松平のエキシビションの計4試合が行われ、インターネットでライブ配信された。