【柔道】阿部詩が「すごく強い」と称えたケルディヨロワとは 昨年の世界選手権は決勝で詩に敗戦

女子52キロ級2回戦 ケルディヨロワ(奥)に一本負けし呆然とする阿部(撮影・パオロ ヌッチ)

<パリオリンピック(五輪):柔道>◇28日◇女子52キロ級2回戦◇シャンドマルス・アリーナ

【パリ28日=木下淳】21年東京五輪金メダルの阿部詩(24=パーク24)が、まさかの2回戦敗退で2連覇の夢がついえた。初戦を57秒で制した後、世界ランキング1位の第1シード、ケルディヨロワ(ウズベキスタン)と対戦。内股で2分14秒に幸先よく技ありを奪ったが、終盤3分4秒、谷落としで逆転の一本負けを食らった。

相手のケルディヨロワとは。1998年7月13日、ウズベキスタンの古都サマルカンド出身。15年の世界カデ女子48キロ級で優勝。階級を上げて19年のマスターズ大会で3位に入るなど頭角を現した。21年の東京五輪は初出場で初戦敗退。初戦でモンゴル選手に敗れていた。その後、急成長。背負い投げ、裏技を武器に、23年と24年の世界選手権で2大会連続の銀メダル。23年は決勝で詩と初めて対戦し、寝技で一本負けした。

試合の約4時間後、詩が取材対応。ケルディヨロワの印象を聞かれ「すごく強くて。最近の試合でも勢いがあった。警戒をしていて対策もしていたけど、それを相手が上回ってきたという感じです」と敗戦を認めた。

詩は準々決勝に進めなかったため、敗者復活戦に回れず、メダルなしが確定した。男子66キロ級の兄一二三が初戦の2回戦を迎える前に、日本史上初となる「きょうだい2連覇」が消滅する事態となった。

ケルディヨロワは一本勝ち後に詩より先に立ち上がると、少しだけうなずき、笑顔さえ見せることなく詩を見つめた。涙を流す詩と握手をし、最後まで表情を崩さずに畳を下りた。

勝ってもガッツポーズをすることがない振る舞いに、SNS上などでは、日本からも多くの賛辞が寄せられている。