【柔道】ウルフ・アロンが初戦突破 ノーシードから五輪2連覇へ好発進「芸能人か」批判を越えて

柔道男子100キロ級1回戦 初戦を突破したウルフ・アロン(ロイター)

<パリオリンピック(五輪):柔道>◇1日◇男子100キロ級◇1回戦◇シャンドマルス・アリーナ

【パリ=木下淳】21年東京五輪金メダルのウルフ・アロン(28=パーク24)が初戦を突破した。ノーシードから2連覇へオーストリア選手を下し、発進した。

3年前に世界の頂点に立った後、苦しみ抜いた。休養中に体重が125キロまで増え、減量の負荷が増して力が入らない日々。22年10月の講道館杯で実戦復帰も3位、同12月のグランドスラム(GS)東京大会とワールドマスターズは初戦敗退。全く勝てなくなった。

昨年12月のGS東京も7位。いよいよ五輪2連覇が消えかけ、引退も頭をよぎったが、この階級で日本の1番手に急浮上していた18歳(当時)新井道大が準優勝止まりで、命拾いした。

パリ代表争いの2番手として、で東海大の後輩を追う逆境に発奮。今年2月のGSパリで、東京五輪後の国際大会で初優勝を果たした。世界ジュニア王者の新井より上位、かつ表彰台に立ったことで、男女14階級のパリ切符ラスト1枚を逆転でつかんだ。おとこ泣きした。

「ここまでの道のりがすごく長かった。安心した。パリへの道がつながった」

振り返れば、金メダルの後は、柔道の普及目的で可能な限りメディアに出演した。「芸能人か」と批判され「ちょっとテレビに出過ぎたな」。減量苦には「きつい。死ぬ」と弱音も吐いてきたが「年末年始は108キロ前後を保てて、仕上がりは1番。柔道人生すべてを懸ける」と期した背水のGSパリで、同じ地での祭典へ舞い戻っていた。