<パリオリンピック(五輪):柔道>◇2日◇男子100キロ超級◇2回戦◇シャンドマルス・アリーナ
【パリ=木下淳】斉藤立(22=JESグループ)が初戦の2回戦を突破した。いきなり五輪2階級王者と対戦。16年リオデジャネイロ五輪男子100キロ級、21年東京五輪では100キロ超級で金メダルのルカシュ・クルパレク(33=チェコ)と当たったが、開始1分31秒、鮮やかな内股で一本勝ちした。
「逆に良かった」と話していた通り、初戦の大一番を制して勢いに乗った。開催国フランスの英雄で怪物テディ・リネール(35)とは、ともに勝ち上がれば決勝で当たる組み合わせになっている。
父は最重量級の五輪2連覇王者、仁さん。男子95キロ超級の時代に84年ロサンゼルス、88年ソウル五輪を制している。その次男が立。父は15年に54歳で亡くなったが、遺志を継ぎ、日本柔道初となる親子2代のオリンピック制覇へ。父が全日本男子の監督だった時代の目標でもあった、日本の看板階級で頂点に立つ。
立は3月8日に22歳の誕生日を迎えた際にも「オリンピックで優勝。金メダルを取るか取らないかで人生が変わる。お父さんとのつながりとか、家族のために必ず優勝したい。全てを出し切る」と、あらためて誓いを立てていた。
国士舘大3年時に20歳で日本一。22年の全日本選手権で史上初の父子Vを達成した。2年連続で世界選手権の代表にも選ばれて22年は初出場で準優勝。23年は7位だったが、リネールと初の直接対決で惜敗に持ち込んだ。五輪、世界選手権に次ぐ格のマスターズ大会は22年に初優勝した。
まだ伸びているという身長は192センチ、登録体重165キロの斉藤に懸かる期待は大きい。大学の先輩で父の教え子だった石井慧の08年北京五輪を最後に遠ざかる、最重量級の金メダル奪還という使命を、背負う。
◆斉藤立(さいとう・たつる)2002年(平14)3月8日、大阪府生まれ。東京・国士舘高から国士舘大を今春卒業、JESグループ入社。柔道は5歳から始め、父譲りのセンス、それ以上の体格で小中高大すべて日本一。男子100キロ超級で18、19年全国高校総体など優勝。21年のGSバクー大会でシニアの国際大会を初制覇した。22年に史上初となる全日本選手権の親子優勝を遂げた。20歳1カ月は史上3位の年少記録でもある。同年12月のマスターズ大会も優勝。得意技は父直伝の体落とし、払い腰、内股など。血液型O。