パリ五輪(オリンピック)の柔道混合団体戦で、本戦とルーレット抽選後の代表戦の2度、日本の斉藤立(22=JESグループ)に一本勝ちした開催国フランスの英雄、怪物、五輪3大会金メダルのテディ・リネール(35)が19日までに仏レキップ紙のロングインタビューに応じ、斉藤をねぎらった。交わした言葉も明らかにした。
テディ・リネール、斉藤へ「5位だったとしても、決して小さい人間ではないし、彼を非難する人は誰もいない。レジェンドの息子ということで、二重につらいだろう」がタイトル。リネールが、個人の男子100キロ超級で3度目の五輪制覇を遂げた一方、斉藤はリネールと当たる前に準決勝で敗れ、続く3位決定戦も屈して5位に終わっていた。
混合団体戦ではリネールが2勝。その後、斉藤に対してインスタグラムで「君の決意と闘争心に感銘を受けた」などと激励のメッセージを送った。斉藤も「テディ、ありがとう、と言わなければならないのは私です。伝説の選手と戦えたことは素晴らしいこと。4年後、私の挑戦を受けてください」と2028年ロサンゼルス五輪での再戦を熱望していた。
この件について、リネールはレキップ紙のインタビューにこう語った。
「(斉藤からのSNSのメッセージについて)悲しかったし、感動した。スポーツの法則には、勝者と敗者が必要だ。しかし、重みを感じすぎる。サイトウのメッセージを見て、胸が張り裂ける思いだった。彼に少しでも力を与えたかったし、モチベーションを持ち直してほしかった。彼は5位だったとしても決して小さい人間ではないし、彼を非難する人は誰もいない。『自分のことを誇っていい』と彼に伝えることが重要だったんだ」
「レジェンド(父仁さん=1984年ロサンゼルス大会と88年ソウル大会の男子95キロ超オリンピックチャンピオン。15年に逝去)の息子ということで、彼にとって二重につらいだろう。皆に尊敬されているレジェンドの道を歩むのは、簡単なことではない。私の子供たち(エデン10歳、イジス6歳)には絶対にさせたくなかったことだ。2人が柔道に挑戦した時に、私は爪をかんだ。幸いにも、彼らは最悪の先生に当たって柔道を好きにならなかった(笑い)」
そう2世の苦悩をおもんぱかった上で、長男と長女について「柔道にプッシュしたのは私ではないよ。なので(柔道が嫌になった時)『ああ、そうか。やめたいのか? トレビアン(分かったよ)! サッカーに行きたい? いいね! バスケットボール? それ行け!』と言ったんだ」と、あまりにも偉大すぎる自身と同じ畳には上がらせていないことも明らかにした。(松本愛香通信員)