【パリ五輪】歓喜、悔恨、克己、慟哭…花の都を彩ったアスリートたちの置き手紙

パリの熱い戦いが、幕を閉じた。無観客だった東京五輪から3年。大歓声に包まれ、幾多の熱戦が繰り広げられた。歓喜、悔恨、克己、慟哭(どうこく)-。17日間の夏の祭典を選手たちが紡いだ言葉で振り返る。【パリ五輪取材班】

■女子バスケットボール 町田瑠唯

日本のバスケットをなかなか出せずに終わってしまった

(8月4日 東京五輪銀メダルから3年 1次リーグ3連敗で夢がついえる)

■ レスリング女子76キロ級 鏡優翔

いろんなしたいことあるんですけど

まずは藤波選手とシャンパンを!

「先輩、一緒に飲みましょう」と取っておいてくれてて

(8月11日 先に金メダルを手にしていた53キロ級の藤波が副賞のシャンパン開栓を待ってくれていた) 

■総合馬術団体 大岩義明

“初老ジャパン”の中の私は長老ですが

我々はとにかくマイナースポーツ

皆さんの話題になれたというのは

我々にとっては本当にいいこと

(7月30日 日本92年ぶり表彰台の銅メダル獲得翌日、平均年齢41・5歳“初老ジャパン”を代表して48歳が喜び)

■サッカー男子 高井幸大

本当に見せつけられた試合というか…

もっともっと成長しなきゃいけない

(8月2日 準々決勝スペイン戦で敗退後、普段は口数の少ない男が言葉に詰まりながら絞り出した)

■フェンシング女子サーブル団体 江村美咲

苦しかったずっと苦しかった

今日もずっとずっと迷って

その最後に、みんなと勝ててうれしかった

(8月3日 V候補だった個人で逃した種目初の銅メダルを団体で獲得して)

■卓球男子シングルス 張本智和

4年後に「(勝つのは)たぶん張本じゃない?」

と言われればいよいよ金メダルと思う

練習しなければ後退するだけ

とにかく練習するしかない

(8月1日 準々決勝で世界王者の樊振東に敗れる 最強中国勢との激闘をへて、視線は4年後に)

■柔道男子60キロ級 永山竜樹

自分に隙があった、のかな

正直きつかったけど

手ぶらで帰るわけにはいかない

気力だけで、銅メダルを

(7月27日 準々決勝で「待て」後の不可解判定による一本負けも意地の3位 笑顔は1度すら)

■卓球女子シングルス 早田ひな

神様が意地悪をしてきたけれど

大事なフォアハンドドライブだけは残してくれた

(8月3日 左手首から腕にかけてを痛めながら銅メダル獲得 代名詞の左の強打で得点を重ねた)

■柔道男子66キロ級 阿部一二三

泣きそうになりましたよ、正直

妹がね、悔しがってる、泣いてる姿を見て

でも心の中で、兄として絶対に妹の分まで

やり切ろうって

泣くのは今じゃない

(7月28日 妹詩の敗退を見た瞬間は驚きも、すぐ表情を引き締めて稽古へ。優勝後に本心を打ち明けた)

■柔道女子52キロ級 阿部詩

人生の中で忘れられない6日間

出ないと今後の柔道人生につながらないし、後悔する

五輪の舞台で必ずリベンジしないといけない

また兄と2人で出て次はしっかりと金メダルを

(8月3日 パリの慟哭後、混合団体で復帰しロスへ再起の1歩)

■競泳女子100メートルバタフライ 池江璃花子

すごく頑張ってきたつもりだったけれど

「この約1年間の努力って、何なんだろう」という結果

悔しい気持ちと疑問そういう気持ちでいっぱいです

(7月28日 2大会ぶり個人種目出場も準決勝敗退 オーストラリアへ拠点変更した昨秋以降の努力と結果を重ねた)

■陸上女子やり投げ 北口榛花

五輪の金メダルを取ったら満足できるのかなと

思っていたんですけど65メートルではまだ満足できない

満足できない理由があるのはとても幸せだと思う

(8月10日 1投目で逃げ切って金メダルにも満足感はなかった)

■スケートボード男子ストリート 堀米雄斗

東京(五輪)で勝って一番感じたのは

「終わりがないな」ということ

オリンピックの金メダルをかけた瞬間にその思いをすごく感じている

(7月29日 2連覇後の取材エリアにて 探求の日々は終わらない)

■フェンシング男子エペ個人 加納虹輝

金メダルを取れることが半信半疑だったとしても

「金メダルを取る」と口に出すことで獲得できると

身に染みて感じることができました

(7月29日 一夜明け会見で目標を公言することの意味を伝えた)

■トライアスロン女子 高橋侑子

気にならなかった

私たち感覚が違うので自然を相手にするのがトライアスロンの醍醐味(だいごみ)

(7月31日、生活排水が流入し水質悪化で揺れたセーヌ川でスイムも平然 普段はもっと濁ったところでも泳ぐとか…)

■バドミントン女子シングルス 山口茜

過去2大会とも

簡単に8強に入っているようで

難しいことをやってたんだなって

気持ちになりました

(8月1日 ストレート勝利で3大会連続の8強進出 世界のトップで戦い続ける重みが言葉に表れた)

■陸上男子20キロ競歩 浜西諒

めちゃくちゃ楽しかった

最高ですね

人生の中では短い時間ですけど1番の1時間20分でした

(仕事について)8月はお休みをいただいているので

9月から野菜の仕事を頑張ります

(8月1日 普段はスーパー店員と競技を両立 初の五輪をかみしめた)

■体操男子 杉野正尭

視聴率100%の中で演技する

しかも夢の舞台で1人が演技するっていうところは

自分でも感動しちゃうなってぐらい

すごく特別な空間でした

(8月5日 種目別鉄棒決勝で7位も大会場で1人だけが演技できる瞬間を味わい尽くした)

■陸上男子100メートル サニブラウン・ハキーム

今回は携帯を持って帰るだけなので

(8月4日 目標としていた同種目日本勢初のメダルを手にすることがかなわず独特の言い回しで悔しさをあらわにした)

■体操男子 岡慎之助

本当にやばいことしちゃった

(8月6日 メダリスト会見で金メダル3つ 銅メダル1つを獲得して)

■スポーツクライミング女子複合 森秋彩

これがきっかけで

他の競技の選手と話せて楽しいけれど

だいぶ重たくなってきて肩が凝っています

(8月8日 準決勝リード後の取材エリア 首からかけていたADカードには大量のピンバッジ 交換で国際交流する五輪特有の文化も楽しんでいる)

■陸上男子110メートル障害 村竹ラシッド

決勝に進出したとはいえ

あんまりどころか

全然満足できる内容じゃなかったです

(8月8日 同種目日本人初の決勝進出も手放しに喜ぶことなく冷静にレースを振り返った)

■ブレイキン女子 湯浅亜実(AMI)

自分なりに全部出し切れて ステージ楽しめて

もうどんな結果でも最高!って感じでした

(8月9日 自分の演技を尽くし結果発表前からの充実の表情が手応えを物語っていた)

■バレーボール男子 石川祐希

(世界と)互角に戦えるチームであることは間違いない

それは監督のおかげですし

今いるチームメートのおかげ

(8月5日 準々決勝イタリア戦の敗戦後、仲間への感謝の思いがあふれた)

■ スケートボード女子パーク 開心那

本物の五輪を体験した感じ

(8月7日 メダリスト会見で2度目の五輪の感想を問われて)

■陸上男子やり投げ ディーン元気

勝手に涙が出てきました

12年ぶりに立ったという思いが込み上げてきて

自分を褒めたいです

(8月6日 3大会ぶりに五輪へ出場 前回大会から記録を伸ばし試合後に涙があふれた)

<五輪選手ひと言>

▽フェンシング

飯村一輝 私たちの躍進をきっかけに、夢や目標に向かって一歩踏み出す勇気を持ってもらえるとうれしい。

江村美咲 苦しいことの方が多い期間となったが、皆さまのおかげで最後まで逃げ出さず踏ん張ることができた。

▽セーリング

吉岡美帆 長期間でとてもきつい戦いだった。皆さんの応援のおかげで最後まで全力で戦い抜き、メダルを獲得することができた。

▽バドミントン

志田千陽 たくさんのサポートと応援があって、プレーできると実感した。いろいろな思いが詰まった五輪になった。

渡辺勇大 声援が背中を押してくれた。子どもたちに夢を与えていけるような選手でありたい。

東野有紗 皆さんのおかげで取れたメダルと感じている。これを通して混合ダブルスをしたい子どもたちが増えたらうれしい。

▽バレーボール

西田有志 本当に厳しい戦いの中でも、皆さんに背中を押していただき戦い抜くことができた。

古賀紗理那 目指した結果にはならなかったが、素晴らしい舞台で戦えたことを光栄に思う。

▽バスケットボール

林咲希 結果を残すことができず、「悔しい」の一言では表せない。このような経験をしっかりと次につなげるためにも努力することを忘れず、これからも精進していきたい。

▽馬術

ハーゼ柴山崇 五輪に出るという夢がかなった。信じられないほど素晴らしい経験で、これまでで一番ハッピーな瞬間だった。また次の目標に向かって頑張る。

戸本一真 パリ五輪では団体銅メダル、個人5位入賞という結果を残すことができた。馬術というスポーツは選手以上に馬がアスリート。愛馬なくして今回の結果はない。

▽サッカー

谷川萌々子 結果をしっかりと受け止め、次の五輪ではまたレベルアップした姿で日本の代表として戦えるようにやっていきたい。