【競泳】選手最大の戦いはハイテク水着着用?「より流線形に」目指し出血、40分かかるケースも

ハイテク水着の着にくさについて記した米ヤフーの記事

米ヤフーは「五輪競泳選手の最も血みどろの戦いは、水着を着用することだ」という記事を掲載。レースの1時間ほど前になると選手たちは体を乾かして姿を消し、見えない場所で水着との「戦いの前の戦い」を行うと記した。

水着は選手たちにとってはメダルを獲得するためのよろいのようなものであり、ロッカー室では数分~30分、女性であればそれ以上、着用するために格闘することになるという。なぜならとてもタイトで、しかも伸縮性のないスーツを、鍛え上げて膨らんだ太ももと大殿筋(おしりの筋肉)の上まで引き上げないといけないから。拳から血が出ることだってあるという。

それでも10分の1秒を縮めるために競泳選手たちはそれをいとわない。

水着は体を圧縮し、特殊素材は水を弾いて、抵抗を軽減する。水着デザイナーたちが1番重要だと指摘するのが、水着による圧力が筋肉を刺激し、正しい水泳姿勢をサポートすることだという。

「(圧力で)体が絞られれば、水の中をより流線形で泳ぐことができます」と、水着メーカー、アリーナのイノベーション・デザイン担当ディレクター、グレッグ・スタイガー氏は米ヤフーに証言している。そして「より流線形になる」ということは、より速く泳げるということだ。

これらのハイテク水着は600ドル(約9万3000円)もする上に、着用に40分以上もかかることがある。そのため、特に長距離スイマーの中にはもっと緩めの水着を好むトップ選手もいるという。

ただそれでも水着と格闘するのを好む選手は多い。1度着用した水着は、新品のものよりは着やすくなるが、五輪のような大舞台ではトップ選手は1レースを終えると、その水着を捨ててしまうため、また一から水着と格闘しなければならない。

アリーナは伸縮性のある生地を使用した高圧縮水着を開発し、それは5分程度で着用できるというふれこみだが、現在でも平均的には水着を着用するのに15~20分程度はかかるという。そうであっても10分の1秒を縮めることの方が、選手にとっては重要だと、ヤフーの記事では指摘している。