スポーツ仲裁裁判所(CAS)は9日、パリオリンピック(五輪)のレスリング女子50キロ級決勝で、当日の朝の計量で体重超過により失格となったビネシュ(インド)が銀メダルを求め提訴したと発表した。
ビネシュは1回戦で2連覇を目指した須崎優衣(キッツ)を破った。その後も、順調に勝ち上がったが、決勝が行われる2日目の計量をクリアできず失格となった。その後、Xで現役引退を表明している。
世界的に注目を集めたこの「失格」の経緯も含めた件について、世界のレスリング界をリードする立場でもある日本のレスリングを統括する日本レスリング協会が、公式サイトで詳しく説明している。
9日に、「UWWがビネシュ・フォガト(インド)の順位剥奪の見解を発表、ルール改正の可能性も示唆」と見出しを打ち伝えている。その中で2日間計量のルールなどについて、具体例とともに、以下のように説明している。
「2日間計量は、2018年にルールが改正され、1回戦から決勝までを2日間かけて行われるようになってから実施された。2日目の計量にパスしなかった場合は失格となって『順位なし』となる。UWW(世界レスリング連盟)は『選手の健康を考えてのルール』とし、選手が過度な減量をしないことを望むためのルールとしている。
計量については、1986年までは連日の早朝計量、1987~1992年までは試合終了後1時間半以内に連日の計量が行われていた。当時は1回戦から決勝が3日間にわたることもあった。
1992年バルセロナ・オリンピックでは、男子フリースタイル74kg級の原喜彦(現全国高体連レスリング専門部理事長)が6位以内を確保しながら、日本チームが最終日のための計量時間を間違えて計量失格となり、6位の順位を剥奪された。しかし、当時はそれまでの成績が有効で、失格とはなっていない(11位以下の厳密な順位はつけていない時代で、UWWデータベースでは『11位タイ』となっている)。
1993年から試合は1日または2日間で実施され、計量は初日の前日のみに変更。2005年からは1日で決勝までを行うようになり、ともに試合前日の計量をパスすれば、体重を完全に元に戻して試合をすることができた。2018年に30年ぶりに連日の早朝計量に変更。前記のルールが実施された。
昨年の世界選手権では、男子フリースタイル65kg級の乙黒拓斗(自衛隊)が3回戦で敗れ、敗者復活戦へ進む権利があったが、負傷のため棄権。診断書を提出せず翌日の計量を棄権したため、順位はついていない」