4年に1度の冬季五輪(オリンピック)が9日、韓国の平昌(ピョンチャン)で開幕する。

 フィギュアスケート男子で2連覇が懸かる羽生結弦(23=ANA)のブライアン・オーサー・コーチが5日、会場のある江陵で取材に応じ、右足首故障からの復帰を目指す羽生について「もちろん個人種目は出る」と明言した。故障の原因となった大技の4回転ルッツは回避するという。

 9日からの団体は回避する方向で、16日のショートプログラムに照準を合わせる。年明けに練習を再開したばかりだが、オーサー氏は「(ジャンプは)4回転ルッツ以外は全ていい状態だ。彼はトレーニングがよくできている。驚きだ。当然、金メダルが狙える」と太鼓判を押した。

 4回転ジャンプのうちルッツは2番目に基礎点が高い。以前からこのジャンプを磨いてきた羽生は、今季2戦目だった17年11月のロシア杯フリーで初成功した。続くNHK杯では、練習で4回転ルッツを跳び、転倒して右足首を負傷。そのため、このジャンプを五輪のプログラムに入れるかが注目されていた。

 羽生は、2季前のグランプリ(GP)ファイナルで4回転トーループ、同サルコーの2種類3本の構成で当時のフリー世界最高点219・48点をマーク。昨季の世界選手権では、さらに4回転ループの新技を加えた3種4本の構成で、223・20点と最高点を更新した。この日のオーサー・コーチの発言通り、4回転ルッツ以外のジャンプが、本来の状態に戻っているなら、男子66年ぶりの五輪連覇は十分狙える。