「あの事件かな」引退の競歩山崎、忘れられぬ思い出

レース後、引退セレモニーで花束を手に笑顔を見せる山崎(撮影・河野匠)

<陸上:東京五輪代表最終選考会兼全日本競歩能美大会>◇15日◇石川県能美市・日本陸連公認コース◇男女20キロ

昨秋の世界選手権6位の池田向希(21=東洋大)が1時間18分22秒で優勝し、東京オリンピック(五輪)代表切符をつかんだ。

入部当初はマネージャー兼任だった選手がコツコツと力をつけ、母校にこの種目で3大会連続の五輪出場をもたらした。親戚にあたるモデルのみちょぱからは歓喜のツイートで祝福された。男子20キロ競歩での代表内定は、山西利和(愛知製鋼)に続いて2人目で、最後の3枠目はこの日2位に入った高橋英輝(富士通)が濃厚。女子は藤井菜々子(エディオン)が制して代表入りを決めた。

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男子50キロの元日本記録保持者で五輪3大会に出場した山崎勇喜は現役最後のレースを終えた。ゴール後は、多くの仲間や関係者から労いの言葉をもらった。「感謝の気持ちを歩きで表現できたのではないか」と涙した。昨年1月右臀部(でんぶ)を痛め、同6月頃に痛みは激しくなり、引退を決めたという。一番印象に残っているレースは「あの事件かな」。36歳は、そう笑いながら、競技役員のミスで周回を誤ってゴールしてしまい、途中棄権となった07年世界選手権(大阪)を挙げた。今後は自衛隊員として、職務にあたる。