サヨナラ決めた侍坂本の背中は「でっけえ」激闘たたえ宿舎前に300人

試合を終えてホテルに戻った野球日本代表の坂本勇人(奥中央)ら選手たちに声援を送る福島市民たち(撮影・鎌田直秀)

<東京オリンピック(五輪):野球・日本4-3ドミニカ共和国>◇28日◇1次リーグ◇福島・あづま球場

逆転の侍ジャパンが「福島の奇跡」を起こした。3大会ぶりに五輪競技に復活し、迎えた開幕戦の1次リーグ・ドミニカ共和国戦(あづま球場)。プロが参加した00年シドニー五輪以降、1勝2敗と鬼門とする初戦で大苦戦を喫した。継投失敗などで9回裏で2点ビハインドだったが、1死から執念の反撃を開始。同点セーフティースクイズを含めた、怒濤(どとう)の猛攻から、最後は坂本勇人内野手(32=巨人)が逆転サヨナラ勝ちを決めた。脈々と受け継がれる伝統の逆転劇を復興の地、福島で体現し、悲願の金メダルへ白星発進した。

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JR福島駅近くでは、侍ジャパン宿舎前で約300人が選手らの帰りを待って激闘をたたえた。福島市内の野田中野球部4人は、サヨナラ打を放った巨人坂本勇人内野手が目当て。吉田湊太(かなた)くん(中2)は「本当は今日のドミニカ戦のチケットを持っていたんです。無観客になって、すごい悔しくて悲しかったですけれど、坂本選手を近くで見られたことは良かった。金メダルとってほしい」。選手バスとは違うタクシーから降車したため、より近くで背番号6を確認できて「背中でっけえ」と興奮していた。