向翔一郎は独でも異端児 子供受け狙いパプリカ選曲

  • 3位決定戦後、ファンと握手する向翔一郎(撮影・峯岸佑樹)
  • ファンとの記念撮影で、マッスルポーズを披露する向翔一郎(撮影・峯岸佑樹)

柔道の東京オリンピック(五輪)代表選考会の1つ、グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会男子90キロ級銅メダルの向翔一郎(24=ALSOK)が25日に成田空港に帰国した。

東京五輪代表選考の最後の国際大会となった重要な一戦でも、「柔道界の異端児」らしさを貫いた。向は、キューバ選手との3位決定戦を制して退場する際、米津玄師のヒット曲「パプリカ」を流した。会場の欧州ファンも笑顔でノリノリ、口ずさむ子供もいた。「海外の子供たちが好きな曲」と考え、向が選曲した。「やっぱり、子供受けが大事。Foorinではなく、米津玄師バージョンというのがみそ」と独自の見解を説明した。

さらに、淡々と退場する選手が多い中、その後も、出口付近にいる多くの子供たち1人1人に、記念撮影やサインに応じた。笑顔でマッスルポーズまで披露するファンサービスまで見せ、試合直後とは思えない光景だった。向は過去に筋肉専門雑誌に取り上げられたことある。

成田空港帰国時には、数人のファンにサインを求められたが、寂しそうな表情で「まだまだ足りない。ダメだ。活躍してもっともっと増やさないと」と自身に活を入れていた。

五輪代表が決まるかもしれない、柔道人生が懸かった大一番でも、この男には関係ない。人々を楽しませ、和ませ、自身の直感を信じ「おもしろい」と思ったことはとことん追求する。それが、24歳の柔道家の大きな活力にもなる。今大会までの結果を受け、27日に都内で行われる全日本柔道連盟強化委員会で初の五輪代表に決まる見通し。「五輪に出るのが目標じゃない。五輪で金メダルが目標」。柔道界の異端児は、5カ月後の日本武道館で大輪の花を咲かせるために独特の感性を磨く。【峯岸佑樹】