全日本柔道連盟は27日、東京・講道館で強化委員会を開き、女子52キロ級世界女王の阿部詩(19)が東京オリンピック(五輪)代表に決定した。

阿部は18、19年世界選手権2連覇や、昨年11月のグランドスラム(GS)大阪大会まで対海外勢48連勝などの実績が評価された。21日のGSデュッセルドルフ大会(ドイツ)決勝では、GS大阪決勝で敗れた世界ランク1位のブシャール(フランス)に反則勝ちを収めてリベンジを果たすなど地力の強さを見せつけた。

東京五輪では、男子66キロ級元世界王者の兄一二三(22=ともに日体大)との兄妹優勝を目標に掲げている。GSデュッセルドルフ大会後には「積極的に攻める柔道を追求し、五輪ではさらに強くなった姿を見せたい」と初の夢舞台を見据えていた。

東京五輪代表選考は、選手の準備期間確保を重視した「3段階」による選考で決める。今回は「2段階目」となり、GSデュッセルドルフ大会までの成績を総合的に判断。強化委員会で出席者の3分の2以上が、2番手との差が歴然としていると判断すれば代表選出となった。最終選考は、4月の全日本選抜体重別選手権(福岡)となる。