全日本柔道連盟は27日、東京・講道館で強化委員会を開き、男子73キロ級で16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)金メダルの大野将平(旭化成)や、女子52キロ級で18、19年世界女王の阿部詩(日体大)ら男女12人の東京五輪代表を決定した。

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東京五輪柔道代表の残り1枠が「ワンマッチ」で決まる可能性が出てきた。未定の男子66キロ級は昨年世界王者の丸山城志郎(28)と17、18年世界連覇の阿部一二三(22)の争いだが、井上監督は「力は五分。勝った方が代表」と全日本選抜体重別(4月4、5日・福岡)での決着を口にした。

もっとも、新型コロナの状況次第では、大会の延期や中止もありうる。男子66級のために、講道館やナショナルトレセンでの「ワンマッチ」案が浮上。強化委員会内には「8人参加の大会形式でないと」「無観客では」など公平さを疑問視する意見もあるが、決着に他の方法はなさそうだ。

すでに代表活動は自粛ムードで、所属によっては他の所属選手との練習を禁じる動きもある。海外合宿などへの派遣が制限される可能性もあるなど、感染拡大は強化スケジュールにも影響しそうだ。「我々にはどうすることもできない。できることをやって、待つしかない」と、金野強化委員長は話していた。