政府は23日、来夏に延期された東京五輪・パラリンピックに向けた新型コロナウイルス対策調整会議の第2回会合を首相官邸で開催し、国内外選手に関する出入国の緩和措置や検査体制について話し合った。

中でも日本選手が帰国した際の緩和措置について政府は12月上旬の中間報告より前に制度開始を目指したい考えを示した。実現すれば、国際大会に参加したい日本選手にとって追い風となる。

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東京五輪開幕までちょうど10カ月、各競技の国際大会が再開しつつある中、政府、東京都、大会組織委員会の3者はアスリートの出入国緩和措置を構築する方針を確認。感染防止対策を徹底した上で入国を原則拒否している国・地域の選手らの入国を特例で認め、入国後14日間の自宅待機期間中に練習や大会参加を可能とする仕組みを構築する。

海外から出国する72時間以内に検査を受けて陰性証明を取得。入国後14日間は活動計画書とそれを順守する誓約書の提出を義務づける案などが盛り込まれた。

日本オリンピック委員会(JOC)福井烈専務理事は、日本選手が国際大会に出場した場合や、海外を拠点に活動する日本選手が帰国した際、隔離期間中に個別練習だけでなく練習試合や代表活動など合同練習ができるよう強く要望。

政府関係者は「選手のために、速やかにできるよう関係省庁と調整したい」と話し、同会議が12月上旬に取りまとめる中間報告より前倒しして緩和措置を目指す考えを示した。

東京大会本番での検査体制は出国、入国、事前キャンプ地、ホストタウン、選手村、競技会場等で検査を実施する方向だが、具体的な回数や検査方法は今後、詳細を詰める。

選手の移動は原則として専用車両を使用し、地方会場などのやむを得ない場合は新幹線や飛行機など公共交通機関を利用する。大会期間中、選手が指定された行動範囲外に出た場合の罰則について、大会関係者は「まだ先の議論だ」と話した。【三須一紀】