森氏発言に五輪スポンサー18社からのコメント一覧

20年12月、東京五輪・パラリンピック大会組織委の森喜朗会長

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は10日、森喜朗会長(83)が女性蔑視発言をしたことを受けて、日刊スポーツは10日までに大会スポンサー企業にアンケートを行った。ゴールドパートナー全15社とワールドワイドオリンピックパートナー3社から回答があった。以下、すべてのコメント。

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<ゴールドパートナー>

◆アサヒビール「森会長の発言は、男女平等がうたわれているオリンピック・パラリンピックの精神に照らすと不適切な表現であり残念であると考えている。アサヒビールはゴールドパートナーとして、東京2020大会がオリンピック・パラリンピックの精神を体現した大会として成功するよう、尽力していく」

◆アシックス「本件(組織委員会会長のご発言)に関しましては遺憾であり、あらためて男女平等の理念に反することはあってはならないこと、多様性を受け入れることが重要であることを再認識しております。東京2020パートナー企業として、差別のない平等な社会の実現が体現されるような大会となることを目指し、アスリートや大会関係者の方々のサポートを通じて大会の成功に貢献いたします。また、アシックスにおきましては、性別、人種、民族、年齢、宗教、障がい、性的志向、性自認等の違いを受け入れ、活かすことにコミットし、ダイバーシティ&インクルージョンを引き続き積極的に推進いたします」(※12日に声明を発表)

◆キヤノン「(森会長の一連の発言に関するコメント)当社は『共生』を企業理念に掲げており、文化・習慣・言語・民族などの違いを問わず、すべての人類が幸せに暮らしていける社会の構築を目指しています。今回の森会長のご発言はオリンピック・パラリンピックの理念や『多様性と調和』という今大会のビジョンに反するものであり、大変遵憾に思います」(※9日に発表)

「(森会長退任に関するコメント)今回の一運の発言は、いかなる種類の差別も認めないオリンピック憲章にも、また、今大会のビジョンである『多様性と調和』にも反するもので、決してあってはならないものである。森会長は東京オリンピック・パラリンピックの招致活動から現在に至るまで、IOCをはじめとした各組織・各競技団体やスポンサー各社などと調整をご自身でされてきた。また、3500名もの組織委員会をまとめ、今大会の成功に向けて大変なご尽力をされてきた。それだけに、今回の退任という結果はやむを得ないものではあるものの、大変残念である」(※12日に発表)

「(スポンサー企業を継続していくことについて)今大会は、『復興五輪』という位置づけにある。加えてコロナ禍にも見舞われ大変厳しい状況にある。この状況を克服し、今大会を立派に行うことが世界に向けて日本の力強さを証明することになる。また、同時に、当社は平等な社会の実現という五輪の精神に共感しており、『多様性と調和』という今大会のビジョンにも賛同をしている。スポンサーを継続することで今大会の実現に貢献していきたい」(※12日に発表)

◆ENEOS「当社グループの行動基準に定める人権の尊重やIOCのジェンダー平等の観点からも、このたび組織委会長の発言については、極めて遺憾であり残念である」

◆東京海上日動「オリンピック・パラリンピックの理念や、『多様性と調和』という東京大会のビジョンに反する発言であり、大変遺憾。適切に対応するよう組織委員会に伝えた」

◆日本生命「今般の森会長の発言は、女性蔑視とも捉えられ、男女平等がうたわれているオリンピック・パラリンピックの精神にも反する表現であり、大変遺憾である。組織委員会には、アスリートが持てる力を最大限発揮できる大会になるよう、また、多くの人々に歓迎される大会になるよう、尽力いただくことを申し入れている」

◆NEC「ジェンダーの平等は東京2020大会の基本原則であり、今回の発言は東京2020大会のビジョンである『多様性と調和』に反するものと捉えている。当社としてもインクルージョン&ダイバーシティを重視しており、ゴールドパートナーとして『多様性と調和』の実現やジェンダーの平等の順守を組織委員会をはじめとするステークホルダーに求めながら、共に東京2020大会の成功に向けて引き続き取り組んでいきます」

◆NTT「森会長のコメントについては本人が謝罪・撤回していることもあり回答を差し控えたい。パートナーとしては、東京2020大会が、真にオリンピック・パラリンピックの精神を体現した大会となるよう、組織委員会と一丸となって尽力していく」

◆野村ホールディングス「当社はダイバーシティを尊重し、多様な価値観や考えをもつ社員が、自らの能力や個性を発揮できる環境の構築に積極的に取り組んでいます。オリンピック憲章の根本原則や東京2020大会の基本コンセプトの1つである『多様性と調和』に賛同し、引き続き大会の成功に向け、日本の挑戦をサポートしてまいります」

◆富士通「富士通グループでは、パーパス・ステートメントに『公正と平等を重んじ、ダイバーシティ&インクルージョンを推進します』と掲げております。『性別』『障がい』『国籍』などの属性だけでなく、働き方、コミュニケーション、多文化共生など、個々の多様性を大切にする考え方は、『いかなる差別も相いれない』とするオリンピック憲章と合致するものと認識しております。ステークホルダーの皆様と同じ認識のもと、引き続き東京2020大会成功への貢献に向けて取り組んでいきたいと思います」

◆みずほフィナンシャルグループ「対外的にコメントを出すかどうかも含めて検討中です」

◆三井住友フィナンシャルグル-プ「弊行は東京2020大会のコンセプトである多様性と調和に共感しており、大会を契機にDiversity&Inclusionの考え方がレガシーとして根付くことを切に願っております。パートナーとして大会の成功に向け尽力したいと考えております」

◆三井不動産「組織委員会と当社が掲げる理念に反する内容で遺憾の意を伝えています」

◆明治「今回の発言について大会スポンサーとして大変残念ですが、組織委の人事についてはお答えを差し控えさせていただきます。多様性と尊重を掲げる大会理念に共感しており、安心安全な開催ができるよう引き続きサポートしていく」

◆LIXIL「女性蔑視と取られる発言をしたことに対して、謝罪会見があった4日に遺憾の意を伝えた」

<ワールドワイドオリンピックパートナー>

◆パナソニック「当社はオリンピックの公式パートナーとしてスポーツを通じて世界平和を実現するオリンピックムーブメントの精神に共鳴し貢献しています。当社は、個々の事案についてコメントする立場にありませんが、女性蔑視などの差別は当社の価値観とは相いれないものです」

◆P&G「全ての人に平等な機会を目指す取り組みを推進してきました。今回の発言は組織委の理念にも弊社の考え方にも反しており、大変遺憾。お客様からも厳しい声が寄せられています」

◆トヨタ自動車「トヨタが大切にしてきた価値観と異なり、誠に遺憾だ」(豊田章男社長コメント)