橋本会長「バッハ会長喜んでくださった」会見全文2

新会長として承認され、笑顔であいさつする橋本聖子氏(代表撮影)

東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の新会長に選ばれた橋本聖子氏(56)が18日、就任会見を行った。

 

-ジェンダーの問題をどう捉えているか。日本は男女平等か、そうではないと思うか

「この問題については、私自身、先ほどまで男女平等参画、そして女性活躍の担当大臣をさせていただいておりまして、昨年には第5次の男女共同参画の基本計画も策定をする立場を、担わせていただきました。日本はジェンダーギャップ指数をとっても、121位という残念な結果であります。まだまだ性別役割分担意識というのが、非常に高いと認識しております。組織委員会の改革によって、何が変わるかも、非常に大事ですけど、組織委員会こそが多様性と調和、男女平等を改革し、実行していく。これが第一だと思いますし、その事によって、すべての競技団体と、その改革に向かっていくことができる発信力を持っていると思う。しっかりした男女平等、多様性と調和というオリンピック、パラリンピックの根本的な共生社会も含めて、ここは組織委員会がリーダーシップのもとに世界に向かって、あるいは国に対して、あるいは東京都と連携し、スポーツ関係団体とも連携し、早急にこの問題を解決するという行動を起こし、そして結果を出し続けていく。それが重要であると私は思います」

-今回は緊急登板。組織委は3500人の職員がいる。時間がない中、大きな組織を束ねるために、心掛けたいこと

「大きな組織と改めて認識をしている。まずは何としても、コロナ対策を国、東京都と、連携し、その終息にむけて、しっかりと対応しないといけない。それぞれ競技団体も含めて、自治体も含めてですけど、本当の意味でオールジャパンの体制で、しっかりとワンチームになって、東京大会の開催と成功に尽力をしていかないといけない。それぞれの役割分担を、もう1度しっかりと、横ぐしを入れる形の中で、風通しをよくして、国、東京都、IOC、IPCと連携し、延期をしたという経験は初めてでありますので、延期とコロナ対策で何が起こっているのか、そして、どうやって東京大会を開催に向けて、多くの皆さんに、これであれば、東京大会はやれるんだ、やってもいいんだと、思ってもらえる準備をしていかないといけないと思っている。1つ1つ国民の皆さんに、ご理解をいただけるような、コロナ対策、対応と、そしてジェンダーも含めてで、ありますけど、IOCに対して、これからの打ち出し、提言も、こういったことも早急にビジョンを作り上げ、発表していきたい」

-森会長の発言で15万筆以上の署名。組織の中の改革や対策は

「内外ともに対策を行っていかなければ、解決策は見いだしていけないと思っている。たくさんの署名をしていただいた、その1人1人の気持ちにしっかり寄り添い、その声はどのように改革をもって、達成だと思ってもらえるかが非常に重要。その声を真摯(しんし)に受け止めるということだけでなく、しっかり改革をした姿を見せていかなれば、問題解決にはならないと思っている。あらためて、意識改革もふくめて、署名をしてくださった気持ちにしっかり答えるような行動を組織委員会としてとっていきたい」

-森会長は辞任表明で発言について「解釈の違い」など話していた。橋本会長は「不適切だった」と発言しているが、何が問題で、どういった部分を変えることが必要か。

「1つ対策として、今掲げられている。例えば、女性理事の比率を、40%に引き上げる。こういうことは、形の上だけでは、あってはいけないと私は思っております。ただ、単に40%に上げるということだけではなく、その中身。非常に丁寧にやっていく必要があると受け止めています。政治の師でもある森会長に対して、私はしっかりと『あってはならない発言であった』と明確に申し上げさせていただきました。そのことを受けて、森会長も大変な反省をし、これから、そのことを生かしていかないといけないと思って、おります。なぜ、そのような発言をされたのか。その背景というもの、これは森会長ということだけではなく、しっかりと全てのことを検証して、1つ1つの解決、なぜそういうことになったのか。これは国民の皆さん、特に署名をしていただいている多くの皆さんが納得していないところだと思っている。そのことも含めて検証、そういったことが2度と起こらないようにどう対応していくのか、対策していくのか、これを明確に、行動として移していかないといけないと感じている」

-中止、再延期の声が多い。大半。国民にどんなメッセージを出すか

「これは私自身が、国務大臣の時からお話をさせていただいたことで、立場が変わっても、考えは変わらないわけでありますけど、昨年の7月のIOC総会において、この夏の東京大会は開催すると、既に決定をしております。ただ、コロナ対策の感染状況を見る中で、まだまだ多くの皆さんが不安に思っていらっしゃる。その対応も含めて、東京大会をやるべきではないとの声が多いことも理解しております。このままでできるのか、医療の体制はどうなのか、そういった不安が、その支持率の低さに表れているという風に、しっかりと理解しているところです。今コロナの対策、自然災害、東日本大震災からの復興、職の問題、あるいは高齢者の問題。あるいは共生社会。今、世界はさまざまな問題に直面しているんだと思っております。その問題の解決の先進国に、この日本は東京大会を通じ、何をすべきかを明確に打ち出さない限り、国民の皆様に、この東京大会は受け入れていただけない、理解していただけないと思っております。東京大会に向かって、組織委員会として、明確に安心と安全を思ってもらえるものを、打ち出して、そして国や、東京都とも理解を求めながら、開催へ向けて準備を進めていきたい。その思い一心です」

-自身もオリンピアンである。東京大会を開催する意義をどう伝えていきたいか

「東京大会のみならず、オリンピック・パラリンピック、そしてスポーツというのは、何よりもアスリートが中心であります。アスリートが主役であると私は思っております。その4年に1度のオリンピック・パラリンピック。そして、それぞれが目指すスポーツの大会、そういったものに、全てを懸けて、取り組んでいる姿は、教育に大変大きな力となる1つだと思っております。アスリートの皆さんが、頑張る姿というものが、これからのオリンピックのレガシーとなるように、アスリートとともに東京大会を、しっかりと作り上げていきたいと思いますし、ただ単に東京大会をやるということではなく、この東京大会を目指していく過程において、さまざまな問題を1つ1つ解決していくことができる力を、日本が持っているんだと、世界に発信することができれば、その主役であるアスリートたちは、誇りに思うという風に思います。選手が誇りに思える東京大会にすべく、開催の準備に全力で取り組んでいきたいと思っております。一言加えさせていただきます。私が会長に選任をされたという報告をバッハ会長にさせていただきました。バッハ会長は大変喜んでくださいました。アスリートとしての経験と、大臣としての経験を生かして欲しいと。強いパートナーシップのもとに、IOCとして、全力で橋本会長、そして組織委員会を支えていくし、全力でやっていきたいということで、非常にありがたい言葉を、先ほどお電話でいただきました。組織委員会の会長として、バッハ会長とパートナーシップのもとに東京大会を目指すにあたっては、あらためて身の引き締まる思いですし、バッハ会長の熱いメッセージに自分自身がどれだけ、期待に応えられるか、改めて身の引き締まる思いで、電話会談をさせていただきました」